新興の商業通りヘルメット被りて渡る子らを見送り
9
剃り残し髭も気になり花びらを踏んで乗り込む値上げ交渉
5
売り物にならぬ言葉を撒き歩く、インターネット無人街より。
8
「これいいやん」母のラインに にんまりと レターパックにてカットソー一枚
13
指切りをした娘再会より出会いたい初恋がいい古希なのに
4
「きみにしか 頼めないこと、なんだけど。人を埋めるの手伝ってほしい」
4
もうじきに雨がひたすら降るであろう だれの傘にもみんなひとしく
11
自転車で駆け抜けていく 世界じゅうのきらめきと春を胸に抱いて
7
雪どけ後 砂ぼこり舞う 強風に 手こずりつつも 春を感じる
15
陽だまりに猫が二匹で若草の布団の上で春をよろこぶ
17
花曇り ぬるい温度の風を切る 水たまりには桜の名残
12
咲く前も咲いてる時も散る時も 見ていて欲しい 桜のように
14
桜舞う文学部前の坂道を花びらのごと駆け降りるひと
16
ハイハイで息子は行くよどこまでも さっさとオムツ穿いておくれよ
17
今日とくになにがあったということも なかった日こそたぶん幸せ
26
「まだ早い」そう言われて逝くあの人の 笑顔が脳裏に焼き付いている
10
みっつだけto do listに線を引く 残りをこなす日はいつだろう
6
今なのだ 預金通帳握りしめ 生きてるうちに買っておくのだ
4
みっつだけto do listは打ち消され 残りをこなす日はいつだろう
4
今だけよこんな気持ちでいれるのは 明日にはきっと棺桶の中
4
十八の右手に輝く合格証 君の未来は凡庸だったよ
4
いざ我もかしらの雪をそれと見て桜の盛り浮かれ暮らさむ
5
散る後も 地面水面を賑やかす 嗚呼美しき桜花びら
13
ここでなく あそこでもない 最良の 居場所を探せ なんぼのもんじゃい
4
好きなよう 生きたいならば この世界 居場所を探せ なんぼのもんじゃい
4
生きるため 魂売った 人でさえ 辞めてもいいさ なんぼのもんじゃい
2
金貰い 生きてゆくため 公僕に 身を落としたる なんぼのもんじゃい
2
現代の『ふしぎなポケット』:放置するだけで小さくなるビスケット
5
「嘘」をつきあなたが私を騙すなら 私は「事実」であなたを裏切るぜんぶばらす
6
学校は ナポレオンとか 政府とか やりやすいよう なんぼのもんじゃい
3