憐憫の極北までもくのだわ世と折り合わぬ透過星とうかぼしより
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『ニュートン』と『吟遊詩人』の銀人形 並べて観たやレプリカ欲しや(ダリとキリコ)
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ほわほわのあなたのつむじを見るために介護ベッドの隣に座る
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誰にでも 焦りや不安 付きまとい 風に吹かれて 飛びたくもなり
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黒い雲 運動場の向こうから 惑う子供ら たたく雨粒
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「どの刺し身が たいか?」と見分ける AIエーアイも 鯛の旨さを 知ることはない
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大粒の雨と 切り裂く稲妻と 震える大気に あ然蚊遣り豚
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もろこしを選んで穫って剥いて茹で美味くもまずくも自己責任也
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叶うなら訪ねてみたい今一度あの夏の日の瀬戸の小島に
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いつの日か 同じ花火を 見たかった 秋には同じ 月を見ようか
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ヤシガニもウミガメもいない川崎市 つまらない街だと君が言う
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唇が紙ストローに慣れていく 初めはあんなに拒んだのに
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カーテンを閉ざした部屋に鳴いている 空を知らない籠の文鳥
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ジリジリと灼きつけるよな照り返し 蝉の声さえも勢いが無く
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傲慢と正義の剣翳す虎 腹の底から大嫌いだ
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どうせ奴らはダイヤモンド抱き合って傷つけあって泣けばいいんだ
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「 」かぎかっこ 収まるわけない想いなど 知ってるんでしょ 気付かぬふりして
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頼りなく思っていたはこちらだけふとした仕草頼もしくあり
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知らぬ間に大きくなりしよその子は声変わりして「母さん」と呼ぶ
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君無しで歩く家路に浮かぶ月 満ちてるようで少し欠けてる
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家事もせず会社も行かずピアノ弾き 短歌詠み出しいよいよ貴族
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本当に再び冬は来るのかな汗と一緒に思考溶け出す
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陽が射すと、疲れた心も溶けだして。ふと見上げたら瑠璃色の蝶。
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あと分寝ていたい朝みたいだと 改札前君が袖をつかむ
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はしゃげない「メダルラッシュ」と言われても スポーツが好きってそうじゃない
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ダンシングヒーロー跳ねて盆踊り明けてじんわり腰痛などあり
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甲高く 蝉鳴く夏に ぐるぐると 飛ぶセキレイと 赤き太陽
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五七五七七を九八七七で数えてみれば ずいぶん自由
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水を張り 棚田に植えし 蓮の花 薄桃揺れて 山の夏空
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「おやすみ」とダブルベッドの端っこで 夫婦それぞれ抱く抱き枕
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