幸福に 待つも遠くの 上高地 なほ高き山 はばみし安曇野 (甲府、松本、上高地、穂高、安曇野)
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君の横は まだ温かく 離れがたく チェックアウトの迫る 9時50分 (横浜)
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君の横 浜風吹かれ 歩く馬車道 アイスボックス片手に ご機嫌な君 (横浜、馬車道)
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誕生日 歳の数だけ星を斬るもうすぐ闇がうまれてしまう
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口実に花火を選ぶ夏が消えifのぼくらは夜を彷徨う
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石化したアンモナイトをにぎっても過去も廻れず意匠浮かばず
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セップテンバーは来た雲足は速く 地上の渦を発酵醸造
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地上には黒い星現れ続き 空には惑星達の集団逆行の秋
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ひたすらに 余計なことを してるだけ 元いた位置に 立ち返るのみ
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改善を 繰り返すうち ふと見れば ぐるりと回り 元いた位置に
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幸せは ここにあるとは 気づかずに 遠くの国に 出かける人も
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懐かしき 歌を聴きては 思い出す あの頃だって 今と変わらず
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テレビとは 疑似体験に 他ならず 食べもしないし そこにもいない
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憐みを 乞うてひたすら 死にもせず 生きてゆくのが やっとの思い
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逞しき 人にはなれず 悲しみの うちに人生 過ぎ行くことも
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美しき 花に見とれて 過ぎ去れば 枯草ばかり 見るも無残に
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何事も 初めがあれば 終わりあり 物語にも エンディングあり
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夢は果て 希望も失せて 時ばかり 過ぎ行くほどに 真実を問う
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何度目の「コロナ感染過去最多」壊れ始める平熱の僕
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夜長にて誰にも触れない歌を詠み空に撒いては星を増やした
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張り切った晩夏の息の音止めるため 秋が霧雨引き連れてきた
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夏空を急速冷凍しておいて冬までしまっておきたい残暑
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杉板の呼吸いき律動リズムに身を合わせ波のともに眠ろうか、タロ
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久しぶり晴れた川上鴨3羽何処へ行くのか我が犬も見る
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通信が途絶えた時の液晶の色より外の夜は明るい
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積る霜フォークで砕く冷凍庫指先赤くなる夏の昼
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この声も誰にも届かないならば この身体などばらばらになれ
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恒星のあかるさひどく眩しくて私はじぶんで光れない星
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I love youあいらぶゆ” あの日バベルが割れたから 『つきがきれい』とルビ振る夜更け
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くまぜみの殉死 アン・ドゥ・トロワ
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