感性は死んだよ良い奴だったけど 鈍った挙げ句に手首を切って
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少しだけ夏が恋しくなっている十月終わりの寒い雨降り
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「寒いね」と言えど返事は来なかった そういや君はいないんだっけ
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起こした責任をとってくれ満月 今夜はお前を抱いて寝る
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今に誘われてくれ 過去に攫われてくれ 優しくない人たちよ
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すみません 背骨のねじれた男性に似合うスカーフ置いてませんか
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秋霖に固き地盤の悪の花根腐れ朽ちて野の草潤う
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寝る前にハンドクリーム塗りたくてきみに小指を吸われるのを待つ
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階段で 足の置き場をまちがえて 転がり落ちる 世界が回る
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一日に十個も食べてはいけません 親は宇宙の法則だった
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詩の秘密をさぐらんとして朔太郎 その都市てきな青さのうちに
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たいせつにされる権利は誰にでもあるものだけど、毒親育ち
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熱が出たくらいで来るなもう泣くな氷枕を敷いたくらいで
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足先が冷えて 靴下引っ張り出す(モコモコ) 茶などハーブティー お代わり 布団にもぐる
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雨が降る バイトに出掛けたあの人は傘も持たずに行ったのだろか
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ねむそうな チビ猫なでて あったかい おみみのさきまで ぬくぬくちゃんよ
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坂の上の空き家の庭をいっぱいにコスモス咲けり 荒れにけるかも
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憂鬱を 忘れんがため 狂いたし ただそのために ただそれだけで
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少年がエロイムエサイム唱えれば 怠惰なメフィスト寝転び出でる
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水面みなもへと浮かび出るのを待っているそんな気分のうた詠み時間
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ふと気づく あの頃の母今の我 とうに追い抜き 未だ未熟で
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我が居場所 ないのではなく決めぬだけ いつでも自由どこまでも自由
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パルメザンチーズのように砕け散るこんな結末望んでないし
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もういっそ全部まるっと手放してせっせと土に埋めてしまえば
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牡蠣出汁の塩ラーメンとは 滋味ふかき やっとカップラ美味しい気温に
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独りでは解けないパズル 愛情は自分で満たすものでありたい
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月命日われ墓へ参る他の家族の分焼香近況報告
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オリーブの小雨の中の剪定は 大胆に伐る息子に任す
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なだらかに赤茶の木々が山覆う鳥の目で見た道央の秋
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わたつみの底の浄土の住みごこちいかにと問ひぬあをうみがめに
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