かなしみに心のうぶ毛で応えよ」と中井久夫は言ってたらしい
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かなしみにいつもうぶ毛で応えてる いつの時でもそれしかなくて
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三日後にサルバトーレの姿なく 君が勝手に助かるんだよ
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走るのをやめ 歩くのをやめ 私に増えたのは 虫刺さればかり
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ぬるい風につつまれて 疲れと明日のテストをおもう電車内
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夜会から一人帰るは酔い醒まし薄明かりさす白夜の街で
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煩わしい日に現れたインベーダー 夏バテよりもひどい病気ね
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夏場にさ冷たい部屋から暑い部屋行った時にさ夏を感じる
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あたたかい砂の上を歩くのは 私とあなたとあなたの友人
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空と海とかさなりとくる閾値にて水平線はしづかにとまる
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ろくでなしさんしでなくてごでもなしはちきゅうじゆうのいちにつけ
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海かぜに吹かるる丘をそぞろゆき夏の細胞そらにわたしぬ
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光背の白一色につつまれて眠りてみたきオキイフの画よ
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傍観者 口は内に しまったまま おおきな眼で 伝える努力を
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夏の夜 暑くて早退 白んでく 朝の仕事増えていくの嫌じゃ
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女湯のサウナは今日も健やかな憎悪によって保たれる平和
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体温たいおんに似た水滴なみだをどうか笑って 幾許も打てぬ態音たいおん
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汗みずく真紅の日傘なげすてて横スクロールゲームピコピコ
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悪臭がただよってくる「文芸」の棚で立ち読みする自分から
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結局は君が嫌いだってこと 憐れ憎しみ、戸を叩く音
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「死ねばいいのに」と言葉を飲み込んで 他人ひとには告げず膿が溜まって
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シナプスにことばの事故を繰り返し 言語野をく熾火がともる
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影にさへ光もとむや水芭蕉野辺の不軽の光背白し
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二病ふたつの輪廻 今世も逢おう違わぬ呪詛主鎖で
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泡末夢幻ほうまつむげん 霧氷耽溺むひょうたんでき 臓の底から誓うか胡蝶の奇譚を
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パニエの残骸を抱いてしまう 零時の短針は灰にも這うのか
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それもそうだね 残渣ざんさが恋人の一言になる訳もなかったよ
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花束の小骨ばかりを集めてた もう渡れないオーロラの端
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笑うのが難しくなる夏がくる そうとは知らず笑顔がきれい
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あわれみをおほえてしまう 雨の日とマシュマロひかるはれのひと
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