それはそれアルアルだとは思うけどテレビのリモコン エアコン消せぬ
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季節って それぞれ匂いがあること 初めて知ったこの歳になり
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膝が痛み和式トイレはもはや無理やっとしゃがんで立ち上がれない
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オヤジ臭漂う中の紅一点 満席の昼 頬張る牛丼
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迷走す野分からの予告かぜ 青空のもと樹々きぎを揺らして
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最強は二歳の孫のおねだりかばあばの理性今日も飛んでく
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涼しげな 器のような 昼の月 空にはすでに 秋の食卓
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夏休み最後の朝にごそごそと潜り込んできた父の布団に
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簡単に「休め」と言うはたやすいが腹くくるまで七年要す
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二学期を迎えられずに亡くなりしニュースだけでも十人以上
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宿題をやったけれども忘れたと言い訳するも知恵のひとつか
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始業式宿題せずに登校す叱りはするが気持ちはわかる
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手の届く範囲にすべて用意して午睡する「身の丈」の幸せ
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あかときに樹は眠りたりしずかなる定型詩文のごとき水脈あり
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天水のあふるる道を渡り来て六甲道にバス訪れず
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つれもどす声などあらじ喫煙所撤去のざまを遠く見るのみ
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友よりも 趣味をえらび 注ぎ込めば さみしいけれど 誇れる自分
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親友と 喧嘩別れを してはただ 冷めた紅茶 口へと運ぶ
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ただ笑顔 求めて賈った ビアードの シュークリーム 笑み漏れる僕
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売られてる 猫ちゃんぢっと こち見てる からだ揺れてる 眠いだけニャン
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週あたま急に出てきた鳩ひいてバックミラーに舞う白い羽/合掌
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父親がまだ子どもだった時のこともっときちんと聞けばよかった
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ねこたちは おひるをまって ならびます おぎょうぎいいね ひとつぶサービス
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台風サンサンが だいぶノロノロになる予報 実家帰る日に 直撃勘弁
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窓外を 眺めていれば 稲の穂が 黄金色の頭を下げる
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米見つつ砂糖買う店梨の店体カクカク1万歩超え
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コメあると信じてはいるがそれとなく陳列棚の空疎に視線
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日々醒めるテトラポットの憂鬱と解を失う九十九里浜
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満員の電車は揺れる 想い乗せ 人の数だけガタゴトゆらり
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パパが好き わかっているよ ただパパは遊具じゃないんだ 登らないでね
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