早起きで ベランダで見る 朝焼けは 憂鬱な日の 始まりを告げる
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紫陽花の 色は変わって いくけれど 変わらないのは 僕の思い
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動かない日々の流れに青春の ハーブ・アルパート献ずる晩夏
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コオロギの鳴き声が響き眠れずにモンエナキメて今日も一日
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転失気が部屋のギターに共振し宛らオンド・マルトノである
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ヒトという種にはもうちょい生き延びて羽根生やしたりしてみてほしい
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ヨックモックを 握りつぶして名残粉 となりでむせる 御年50
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本当に好きなら一度で諦めない、眠る寸前、はずだと気づく
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布団には疲れを食べる妖精がいると言ったのは母だったけな
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蝉の音の廊下ひびきわたりゆく足止めされて夏は暮れれば
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テーブルの上に出現した小島ブルーとホワイトの夏の脱走劇
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騒音のスパークリングワインまで気にいる素振りのデュオ・マンション
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黄昏の積乱雲が問いかける 忘れたことを忘れてないか
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永遠は時を忘れることだろう だからおやすみブーゲンビリア
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伏せられた曜変天目のうちで今際に夜空をいただくねずみ
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飴色の吊るし玉ねぎ軒先に 冬は再び来るのだろうか
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権力の重力に囚われている魂を解き放つのが真の対策
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夏服の裾を絡げて走り去る、もう戻れない季節の君よ
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じゃがいもの冷たいスープ作らずに今年の夏がもうすぐ終わる
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夭折の友と出かけた演奏会チェンバロの音がただ懐かしい
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野辺ゆきのみぢかき影を塗りつぶす夏の呻きのようなひぐらし
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まるで映画のように生きたいから心で働き若さで支えた
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抱き締めてあげたいと思う人なんか この先出逢うと思えないから
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描いてなきゃ出会うこともなかったと言う彼女の絵に惚れてしまった
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「ぼくだって 誰かを信じてねむりたい」 それが叶わぬ、怪獣の子よ
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王子様なんて信じちゃいないけど魔法はいつか使えたらなあ
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寂寞の謂れをググる夏の果て「いかがでしたか?」夜や更けぬらむ
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幸福を 詠もうとすればするほどに ただ絶唱が ただ絶唱が
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ウイルスに言葉があれば歌われたであろう史詩の夢などを見る
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食感だけ褒める味覚と視覚でも3歩前行く姿が自慢
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