いいねがつけば 私から見えるこの世にも 誰かがいるのだ 気づいて安堵
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「大人」という 海を揺蕩う私はいつも ツィーとドゥーぺを 探しています
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くりかえす 毎日じつは 尊しと 奏でる普遍 カノンな日々
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煙を含み 指極星を探したなら 私はきっと やっつめの星
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「しにてえなあ」 一つ夜空に呟けば 白い煙と、わたしのたましい
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としちゃんが小さなおててでドレミファソソだシドれれレソはミレど
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此岸より1番ホームに参ります電車は彼岸の環状線ゆき
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選択肢 右と左に持っていて お手玉しながら考えてみる
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ワンスリー、ツーナッシングと口をつく令和時代の昭和のおばさん
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愛のこころは真心で恋のこころは下心情のこころはあなたの隣
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厳しくも甘くもなくてちょうどいいここに私と同じ人いた
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いつだって読み終わるのが惜しかったあの頃借りた四冊の本
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おじちゃんが時折好いてくれるようあったかかった同窓の君
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田舎には大型ビジョンはないけれど飛び交う燕と待つラブロケッツ
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ソファーにて 寝覚めと共に 青ざめる 目を閉じ思う 夢ましものを
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空梅雨の[比喩歌] 気は 乾いてて 今夜も雨の 匂いがしないな
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大樹なるくはの中つ 兒等こらぢ そのめど今はちひさし
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中指と人差し指の皮むけり夫のうじを名乗っている
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トリミング白いもふもふさようならつるつるの桃ここに誕生
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「一生」が 軽い言葉と ならぬよう 君と二人で 明日も生きたい
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父の日に くれたLEGOの宇宙船 去年は缶コーヒーだったよね
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風呂上りまたやわらかい君の爪新聞ひろげ今日は父の日
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請われても「君が壊れるほど愛す」そんなこと怖くてできないよ
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百年の魔法がとけて 竹枯れる  ざわめく風よ まぼろしの碧
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僕はただ 自由になりたいだけなんだ 水平線へと裸足で駆けて
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浮き沈み 安定しない感情も サブスクリプション 愛して欲しい
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コンビニエンスストアへ三十六個のクピドの刎首の罐詰の茹豆
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牛乳販売業の青年嗣ひとり開拓地へシャープペンシルの替芯吊る 飼育
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水底に売るほどあった孤独すらあのローソンが引き取っていき
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幸せはしっとり積もり悲しみはざーざーと降り溶かしていくね
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