詠み流しすべては過去のものなれど今のきみとあるのならうれし
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詠みしうた短冊かけに飾らんと 材を探しに山に分け入る
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いち 拾と続けし歌会百かぞへ 千まどふ万葉のこころ 
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とちうばい せまいところに︵琵琶湖の半分に二百万人︶ おしこめて すいどうでんき こわして関所︵壁と検問所︶ /ガザ地区
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特異日も「体育の日」の名をおろし役目すんだと曖昧あいまいな空
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庄内に地吹雪すさぶ寒の味 身体に沁みるどんがら汁は(寒鱈汁 )
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熱いココア 冷雨のけぶるロープウェイ 山頂は見えずともこれでよい
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干からびた蝉の抜け殻葉においてしぼむ朝顔木犀かおる
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立ちのぼる 離れて久しき 母の声 電話の向こう 時雨しぐれる夕暮
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戻された伯母を入れてた座敷牢鍵は壊れてまだ残る家
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早朝に ちま猫なぜだか 大騒ぎ 家じゅうみんなを起こしてまわる
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GUジーユーさん 最近利用しないから クーポンばんばん送ってくるよに
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今年こそ我が家の柿もなっているなってはいるがなりは小さい
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鳥海の峰より昇る太陽は稲田を温め日本海に入る
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故郷の山寺詣でも懐かしい 芭蕉の句碑に暫し佇みし
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富士登山くだる須走加速して まろびてひしゃぐ腰の水筒
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晩のおかず何にすると問えば 何でもいいよ それが一番難しい
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朝なさな食卓かざる野菜たち赤いトマトに緑のレタス
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あなたもう死んだんですと諭されてうんわかったと柩に戻る
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ブヨンブヨお腹あたりの悪業はなかなか果てぬ因果応報
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寝てるとき猫に踏まれる案外と重いと思う持つと軽いが
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ジャンプして全体重を肉球に集めて降りる我が腹の上
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ケータイの己が番号いまさらに覚えていない嘘教えてる
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喉を締める 明日を見るのが 怖い夜 早く寝ろよな 三連休明け
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いつもより ひとりでゆくのが 怖くなった ワンルームの夜 きっと雨だから
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天井を 眺めて響く 秒針に 止まぬ焦燥 午前三時
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あの人も あの曲あの本 みんな言ってた そうよそれこそ 寂しさなんだと
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認めたく ないけどストンと 腑に落ちた この感情が さみしさなんだと
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さみしいな 夜とはかくも 怖かったのか  ああ、あの曲だって 歌っていたな
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来週は朋友ともとドライブ そのために 体調整える1週間に
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