夜の幕 開かれるを待つ街灯は 茜の空を纏い美し
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君は晴れ女だ 出かける日はいつも雨が降るけど 僕の心は
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下校時間 華やぐ声でいっぱいの並んで揺れてる傘のいろいろ
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「腕前はもうプロ並みよ!」いよいよに白髪しらがが増えた夫の髪切る
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この山に 耐えて忍は 情けなく 君とこの世の 渡せる橋に
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確率の世界に踊る夜蝶は レバオン魅せる刹那の幻
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母さんが風呂に入ると決めたならお湯張りよりも脱ぐのが早い
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すやすやと優しく眠るきみの名前心を照らすまるで灯火
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連休の貴方家族の行く先で ばったり会おうと計画しようか
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水たまり さえも遊び場 長靴と 小さな傘で ちびっこ無敵
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食べるって わりとエネルギー要ることで(その2)「作って食べる」は 倍エネルギー
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エンドウの濃き緑食めばサクサクと青臭さ残る夕餉の小鉢
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未来あすの日を 期待するから 先の分 取り置きしたり 約束したり
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半額の 冬物靴下 即購入 腐らないし、と  つい手を出して
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お日様と乾いた風に当てられて布団ほっこり幸せの匂い
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杏子色あんずいろまとう少女が笑ってるような毒草 ナガミヒナゲシ
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もう終わろ、うははぽよぽよももももももぴえんえっまだ終わりませんか?
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のんびりと おやつまってる チビ猫と うろうろちょろちょろ せわしい ちま猫
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足裏に 踏みしめた草 青々と きみの強さを 羨んでいた
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春一番吹かれて泳ぐ鯉の群れ落ちた花びら水面みなもを飾る
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何年も過ごした日々の思い出はとても素敵な牢獄だった
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四十五億のきせきを編んだものがたり だれかのひかりであるということ
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蝶のはねかるくなったわたしをのせてどこまでもゆける 自由なままで
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目が覚めて 寝坊したかと思いきや いやまだ朝だ また夏が来た
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カリカリと猫の咀嚼音だけを聴き 頭空っぽで大の字の至福
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降りそそぐひかりひとつぶ 窓枠にあたりこまかな宝石のよう
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東西線通勤ラッシュの乗客はみんな一つの大きな筋肉
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やる事はいくらでもある平日休 やる気スイッチ見当たらなくて
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静寂を不思議な音で切り裂いた君の放った「またね」の響き
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あのリング 欲しいと母言い 即買った 指輪じゃないの クールネックリング(熱中症こわい)
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