あまりにも秋が急いで過ぎるから紅葉もみじ銀杏いちょうも戸惑っている
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名も知らぬ人が劣化と言うけれど良さを知るのは僕だけでいい
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冬瓜に 火がゆっくりと通ってく 温もりを得て は透き通る
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ぬばたまの 黒髪流るる 秋風に 美美びびし景色に ただただ溺るる
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「お前ほど孤独じゃないぜ」蝿が言う夢野久作がいない十月
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マツコさん チーズとワインが美味しそう 我は今日頭痛 ジュース取り出す
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あくまでもヒトの時間の感覚によれば、そこそこ長い百年
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保身してちょっとごまかす申請書 バレてなくともどこかに残る
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黒はんぺんをこよなく愛すきみにこそ知ってほしいなカニ面の味
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盛り上がる「終活、病気、更年期」けれど一人も死ぬ気はなくて
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外つ国の冬の号砲耳にして 木々いっせいに燃ゆる山々
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紫煙上げしわぶく夫と半世紀いつかできぬか逆回転を
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テーブルの真ん中には剥き出しの君からの愛今日は梨味
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我が家では 緑茶は春と 秋、冬で 麦茶は夏の 飲み物だった。
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ゆらゆらと 水面みなもただよい 身を任す 波が来る日は 奥へ潜る挑戦す
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忽然こつぜんと 姿消えゆく 影もなく 去る者追わず ネットならでは
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はたちから わたしと自称してきたが ろくじゅうなかば おれ ぼくもちがう /日本語には主語がない「トンネルをこえると」
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1本のビールでふたり乾杯し 今宵も始まる息子キミとの時間
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百年後、一人になったらもう一度、会いに行くから次も愛して
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バボちゃんがじっと見ているその先でスーモは町に馴染んでいます
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髪と服とメイクと臍とつまさきがあなたにみられる仕様のわたし
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上下とも黒を臆することもなく纏う理由をくれてありがとう
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あの人の汗と努力の時間だけ「コンテンツ」って言わないでいて
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平日のセーブポイント 割引のお寿司と推しの更新通知
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歯が痛いの 金木犀のせいだよ と ズキズキするたび キミ想う朝
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転ぶたび自転車のコツつかんでく父の「がんばれ」背中にしょって
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秋雨は野良猫の鼻冷やすだろうイオンとIKEAいくらあっても
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今だったら飛べるか柵にかけた足君のとこなら行けると思う
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バァバァの じゃぐちをしめる てがよわい ぴちゃんぴちゃんと ぼくをよぶこえ
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君がため いつから違うと気がついた そしらぬふりがうまくなる日々
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