ひかりたつ動物園の外側のホモ・サピエンスのエリアで暮らす
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駅前のゲロを跨いで私たちこれからずっと森で暮らすの
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秋の夜を僕だけのため使いきる鳴くか鳴かぬかスマホ眺めて
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棒人間好きなんだよな人がみなこんなふうならよかったのにな
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イヤホンが壊れて聞こえぬ左側 君の声まで奪われたようで
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こんな日はVANの袋とブックベルト 金木犀の香る青空
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ないものはどうでもよかった 未来とか、可能性とか、生きる意味とか
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長靴が持ち主捨ててアスファルト寂しそうやら気楽そうやら
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この歌を君が好きだと聞いたからLINEのBGMにしとくね
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雨の日の思案 嫌なことをするのは本当にためになるのかな
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さんざめく月の光も甘やかにルソーの夢に見られ紅塗る
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風呂の中の扇風機 熱きゆでだこの 顔を乾かしている
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町を出る あの日写真に焼き付けた 山の青さが今は痛くて
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悩み事マジックテープで被せたら跡は残るが言葉は消えた
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電話だけ動画だけの二年間君の匂いは君の温度は
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貸した本ページの角を手折られて ヤツのニキビが増えますように
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たよりない日々の蒼さを濾過させる「また明日ね」の君のひとこと
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もし選べるのなら人の形にはならない ましてや美少女になど
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夕焼けがユラユラ赤く燃えていて何かが起こる前触れのよう
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帰れない ああ帰れない 帰れない いや帰らない 帰りたくない
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いちにいさん よんごおろくなな はちきゅうじゅう 小さな手のひら ガッツポーズ
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開いた窓 なびくカーテン 暗い部屋 心も体も虚空に溶けゆく
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配信のライブ観客定員超愛と情熱世界をかける
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秋だから 秋じゃないけど 秋っぽく アップルパイの話をしましょう
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パンダ見に富士へゆきたい各駅で三十五円の思ひ出触れに
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きみが鮮やかすぎたので背景ばかり見てた午後驟雨の脰夏宿り
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手繰り寄せ探って触れる過去の日が未来みたいに新しく光る
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海を知る少女がわれに風を編みいつも両手を広げていたり
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十三夜ふちの欠けたきみの茶碗黒い扉の鍵を探して
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のちの月散りとどまれる花なれば欠けし二夜ぞきみとすまばや
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