卒業式の帰り道、答えのいらない告白のあと、諦めた時のような清しさ。
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出来るなら短歌とか詠みたくないの、自己表現を知らないだけなの
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うまく生きられんし社会こわいけどだいじょぶ、ご飯おいしいもんね
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校庭の百葉箱の待ちぼうけに寄りかかっては眠っていたい
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幾日も待ち望んでいたこの瞬間やっとやっと出逢えた一輪の薔薇
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垢抜けた地元の友の第一声"ポテトフライ"に覚えし安堵
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はあこの瞬間を時間軸からカットしてずっとポケットに忍ばせてたい
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お気持ちは理解しますがそこもまた社会の中に過ぎませんから
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夏と冬の境目の名前です。「秋」と言います。テストに出ます。
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明日の朝も呼吸し それらしきことを言いたいだけの肉塊である
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ふっくらと両手で掬い上げたとて小指の爪ほどの価値もない
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はじめから わたしが選んだ色なのに 気ままに濁る 勝手さが好き
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女友達と話す君 お似合いすぎて なんか嫌だな…
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雨の中明るい声で鳴く小鳥私もこんな風に生きたい
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拾い上げ大事に抱えてきたはずが持たされるなら苦しいばかり
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通り雨 雨宿りのカフェ カプチーノ 雨音は今日の君の笑い声
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君の髪風の形に揺れていて前髪なおす係りはぼくね
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もう誰も訪ねぬ田んぼ一匹の猫 君の世界を覗かせてくれ
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完璧な太陽に今朝出会えたよそのまま天に召されたかった
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盆東風の飛沫に乗りて静かなる傘のポツポツ秋の失恋
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包装もリボンも熨斗もいらないの貴方の音と揺れてるだけで
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リボン付黒フリル服のマキさんのグラン・ギニョルめく笑み忘られず
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動物の 身の一片を含んでは ニタリと笑う 君に似た人
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ああすればこう言われるだろうを100として言われたことは0.1
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冬の夜 南で月を眺めてた 東を見れば ひかりの街
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前腕の かわりに紅く 染め上げし チーズ牛丼 沁みる陶酔
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人事部よ 個性は何かと 聞くなよな 塩基配列 たたきつけるぞ
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ごめんねと 言いたくなるから 意味もなく どうかあなたの 明日に幸あれ
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もうだめなときは母音に濁点を付けて泣くから気づいてください
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朧月 ぼんやり見える 月光に 綺麗と気づいた 二十五歳
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