コンビニでついついホットスナックを買っちゃう感じで子孫を作る
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美しく忘れて暮らす遠雷や滅んだ花束のことなどは
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きみの声でエイジングされたイヤホン心なしか曲まで甘い
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塗りすぎたマニキュアみたく自己愛をかばってぶつけてよれて落ち込む
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気を抜けば死へと傾く天秤を片腕で支え続けています
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はじめての街で拾いし夕星ゆうつづをきみの窓にもそっと届けむ
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下校時刻迫りスカート揺らしつつ階段走るシンデレラ達
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甘いもの好きでもないのに頬張って美味いと言えず代わりに吐き気
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お下がりの祖母の服着て電車乗り祖母の家までファッションショーさ
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ごめんなさい 黙ってたけど 本当は もっと真っ赤なリップが好きなの
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揺れそよぐすすき穂とまる赤とんぼ飛べ空よりもまだ空の上
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塩茹でのピーナツかじる冷えた朝ことしも終わる十二週後
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この星が わたしのものでなくっても 月が欠けても それでもきっと
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足湯くらいなら用意できるかもここ最近に流した涙で
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雨上がり道照らす月静かなり 雲のまた上 宇宙そらの確かさ
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点と線だけで描ける恋模様本当はもっと笑いたいのに
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「人生」をやってはいても「人生」のために生きたいとは思えない
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翼する役目を終えて銀色の表紙を畳むペーパーバック
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一日はまた排水口に落ちていく 捻った覚えのない蛇口から
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ニンニクが広がっていく昼休み不織布マスク内側の悲劇
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異世界に転生しない人たちの魔法が今日も世界を変える
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夜深し持て余すほど自意識の発酵文字できみ焼くパン屋
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春星やいつの日かこの毒杯に乾杯という波をおしえて
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まだきみに春を教えてあげたくて萎えた林檎を前歯で齧る
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エコバッグの持ち手が裂けた この世には永遠なんてものは無かった
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洗顔の泡立てネットに立つ泡に洗われていく昨日の私
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夜明け前秋雨の終わり窓を打つ始まりはある心は放つ
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明日の雨出来れば私に降り注ぎそのまま溶かして消してくれぬか
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見つめてるブルーライトのその先に知らないおまえの輪郭浮かべて
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酒よりも風邪薬飲んで酩酊し出来ればすべて忘れてしまおう
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