散歩だ!と、催促されぬおやつどき 君の代わりに私がないた
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歩むごと進む先々飛び立ってお祭り騒ぐ沼の鴨等が
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駆け抜けた 抱きしめた あの金星が 今度こそ夜の空で輝く
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寄っただけ何もそんなに一斉に飛んで逃げるか沼の鴨等よ
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こうやって背中合わせで別々の本を読むのも素直にいいね
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温かな食事頂くたびぎる申し訳なさ募金に代えて
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ただの風邪 胸撫で下ろす寝不足の身は猫のごと床暖に溶け
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年ごとに神への願い切実に 無病息災家内安全
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子が生まれ年始セールの関心は 自分の物より子どもの物へ
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母の手の傷を憂える嬰児が空に放ったいたいのとんでけ
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きみの邪魔する人をみな鍋にいれ 我の美味なる栄養にする
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たとえ遠くともそこで光れ 僕達なりのラグランジュポイント
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水道の水がつめたき年始明け 能登の地の雨はもっと冷たき
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福袋スコーンのこり2個となり 干支のクッキーいつ食べよかな
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濁っても水面は光り水流は永遠の向こうがわまで続く
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初詣はつもうで災禍の続くこの国に幸いあれとただただ祈る
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三ヶ日ほとんどおせち完売か売れ行き上々苦労の甲斐有り
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月曜な感じ漂う木曜日三ヶ日明け人々動く
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写真と交互に顔を合わせ 楽しげに語る母さんと青い鳥と
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寝たきりに なる夢をみた 慄きおのの深々しんしんと積リ はや根雪となりぬ
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ルリビタキ追いかける人の中にいる ちょこちょこ歩く母を眺めて
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進まない参道にベビーカステラが甘ったるく充つこれが平和と
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夢のよな年末年始 過ぎ去って 出勤電車 なお夢現
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五人でも 七十人でも きもひえる ガザ死一万 傷者十倍
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三が日 悪夢続くや 我が国は 地震激突 大火通り魔
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寝正月の すぐる過ぐる/勝る幸せ 噛み締める ニュースばかりの テレビ見ながら
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凄惨な輪島の町に雨降りて続く余震になおも怯える
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おそろしい七十二時間の壁迫る ジャンヌダルクよ能登を救って
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正月の能登大地震の惨状に映画『日本沈没』が現実味をおぶ
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なにゆえにカラスは和の外はじかれてエサをよこどるガキッコになるの
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