鼻の奥 ツンとおぼえる 夏の気配 ふたりで聞いた 歌くちずさむ
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そこにいた蝶をつまんでよく食べたさらさらしてて心地がいい
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保育園 階段ハイハイ登りきり「お兄ちゃん、いた!」笑顔の一歳
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ブックオフ クーポン使って十円で 買う本探すが今日の散歩
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太陽に干して乾いたさらさらの風が素肌をやわらかく撫ぐ
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色々なバランスポーズとっているフラミンゴシャツ着たるよい人
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今日はもう何も考えられなくて風通しよき地下鉄の音
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息をするように迷わず過ごしたい思った途端に息苦しさが
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店先のオンリーワンを求めない輪から外して踏まれたる花
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人生の始まりは君との別れ 目の中で青くきらめく海
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〝ぼく〟やめて 今日から〝オレ〟 と言う君が 日暮れの頃には「ぼくね」と話し
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六月の園庭遊びはイスラムの 女性ばりに日よけの先生
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初めての息子が拾ってきた石は 長女のそれとおんなじ丸さ
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降りそうで 降らぬ空見て しかめ顔 出そうで出ない くしゃみもどかし
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私いつになったら齢慣れるの 毎年更新される違和感
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曇り空湿度が高く風もなく 去年もあったこんな六月
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童心を 取りに帰れと シャボン玉 ふと振り返る ここまでの道
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ねこまくら ふたりがかりで押しつぶされ 干したてフカフカ きもちよいのね
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ヤマザキのロールちゃん お久しぶりなのよ 恵方巻きの如く かぶりつきます
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ねことねこ 添い寝抱っこをしてるよに 見えるくらいに ひっついている
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大切なものだけ見ろと言うように ライトグレーの雲間から碧
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五分袖を挟んでホッと小休止 夏が来るにはまだ早すぎる
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良い歌ねハートマークに色つけて 詠み人みんな同じ方やはり
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隣からカレーの匂い漂えば 一人ぼっちの夜が寂しい
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前後ろ子ども抱えて買い物すわんぱく甥っ子父親となる
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大好きよ何度言っても言い足らぬ愛犬あなたへの愛どう伝えよう
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学校に行けなくなった我が子見て我が働くせいかと迷う
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エアコンがない教室で働いて腹帯ぐっしょり湿りて重く
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ぷりぷりと白くふわふわ尾を揺らし懸命歩く君が愛しい
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早朝の散歩紫陽花見つけては写真撮る主愛犬呆れ
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