知ってるよ いつかの彼は満月に魅せられ飲まれたのだと思うよ
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髪を食う「食毛症」は痩せますよ。サイクロンから黒いドーナツ
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嫁さんは血の繋がらぬ土地に飛ぶだから息子よ命綱になれ
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コンビニの惣菜にさえあなたとの思い出しかない水だけを買う
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必要のない恋なのに手を離すことは私に許されてない
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わからないことも気にせず行き来する半透明の君のエンペラ
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愛猫がどこにもいない悲しさと立ち直る日が来てしまう怖さ
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何一つ悩み吐かないヒカリイカ きれいな墨は瑠璃色の黒
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想像もしていないほどゆっくりと泳ぐイカいたらその海はよい
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この空の澄んだ自由に傾ける耳で海飛ぶ透明のイカ
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透明なイカはこの先のこの世のきれいなものを目指しておよぐ
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双眸に嵌った月が透明な私の先の誰かを見ている
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愛猫が病気になる前の動画    そうだよ君はよく噛む子だったね 
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半チャーハン セットのスープ ニラ餃子 ザーサイ炒め きくらげサラダ
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寝る前の毛づくろいにて ねこ母のあんよもついでになめられている
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小二時間こにじかん 好きな文庫の新刊を 前髪のびてる事も忘れて
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研究の一手若さを取り戻す春にもうそよそよ鯉幟
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直球で攻める若さの投球はチームが勝てるように青春
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連休は 田植えのために あるものと 家族総出で 青空の下 
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わたぼうしのままでは儚く 羽になり旅をしているたんぽぽの花
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ストーブも セーターコート綺麗にし それぞれ仕舞う 連休仕事
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連休も 遠出する気になれなくて 自宅近くで自然満喫
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亡き友の回顧展から帰る道 遺品の茶碗に残る温もり
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眼に見えぬ 傷は自分だれにもみえなくて 痛む傷口 触れてほしくて
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人生を 終らすスイッチ あったなら あの時押して いたのだろうな
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胸の血を迸るほど流しても時計の針はもうもどらない
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「可愛い」があだ名だったと自慢する 犬 猫 兎 蛇や小鳥も
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大好きと万回言われた仔らは行く 虹を渡って花を戴き
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同じ名を 聞くと昔を 回想す ポニーテールの 眩しき君を
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風を受け俯きて咲くカタクリに倣いて屈みスマホを向ける
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