大木だったものと墓石で眠る猫 あんたもあたしもいつか死ぬから
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別れなら 幾度もしたのに 君だけは 忘れさせぬ バニラのかほ
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夜空から 貴方を照らす そのために 宇宙そらに持ち帰るわ 蛍の群を
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ハイボール 二十年ぶり飲みました ワインソーダも よきものですね
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この生は短き夢と知りてなほ鐘嫋々と鳴り渡りけり
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目を細め 赤か青かを確かめる 遅れを取って渡り始める
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「いいことがあったの。」晩酌するきみは  〝いいこと〟が何か おしえてくれない
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努力して 結果が出ない 残酷ざんこくさ くやし涙に ついもらい泣き
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色恋と 言う名のダンジョン やみくもに  ひのきのぼうを ただ振りまわす
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寂しくて 深夜につけた プレステの コンテニュー画面 貴様も敵か
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のど越しが たまらないのよ 炭酸の ワインソーダと 洒落こんでみた
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二度見する 最高気温 明日もまた 体温超えに ダウン寸前
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夕飯を娘と食べるこの時間きっとこの先思い出になる
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わたしなら きっとできるわ あの月を まっぷたつにして 永遠に夜
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日焼け止め塗る時の手のベタベタか、シャワー浴びるときのヒリヒリか。
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月よりも明るく照らす街灯の照らすベンチに座れない側
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流通にのらない個人の野菜から運命的に会えた青虫
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おとなしく雨粒吸った水たまり跳ね方忘れ温いコンクリ
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6月の祭りのように見過ごされ阿呆も踊らぬ既読の言葉
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もてはやす呆れるようなその言葉ひもで縛って海に行きたい
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終電にキャップ、短パン、スニーカー姿のじいさん なんか決まってた
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ちま猫ちゃん すまほしょるだー おしつぶす たなのうえとか いごこちいいニャン
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生きているあなたの頬に触れたくて私はずっと眠れずにいる
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簡単に泣かぬ娘の目に涙うたさんが泣くところ見たから
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幾日も会えずじまいのその間君の知らない「私」が増える
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風呂上がり濡れた髪の毛乾かせば昔のことがふと蘇る
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「読みますか?」 君が薦めた 岩波を 枕元に置き 表紙を撫でる
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四年経ち若き世代の活躍が今を盛りの夏と重なる
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四年後を語り始めるメダリストその頃君はまだそばにいる?
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耂覇へと歩めばひとはすこしずつ頭足類のきもちがわかる
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