日常を詠むこと躊躇わずにおこう 有り合わせでドリア作りつ
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助手席の起きない君に気遣って 静かに開けたピノが星型
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人生が短歌だとして 下の句の十四文字は君を詠みたい
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「大切な話がある」と駅で待つ 今日はヒールを履いてない君
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ハンバーグ、目玉焼き、お茶、名も知らぬ人間に作らせている食
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かたつむり真似してみんとコタツ出す 出れなくなった もうこたつムリ
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まどろみの中にあらわる聖域は身の丈ほどの長方形
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夜なのか、永く被さる影なのか、君の気分で今日を決めよう
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なぜならの後につづく言葉には、「愛してるから」以外にないよ
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カーテンの隙間から漏れる冬の光 氷の張った水底にいる
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粉砂糖ふりかけたような色が好き ほんのり甘く曖昧だから
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「進学は?就職、結婚、子は?孫は?」 一生訊いてな!人それぞれです
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亡き母の姿浮かんで捨てられぬ薄紫の春袷せかな
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降りそうで降らない雪が空中で迷子の鳥を誘導してる
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18歳何もしなくていいのかなあ?? 成人の式はたぶん二十歳はたち
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友の子はあと2年ほどで飲酒年齢 マンゴーのカクテル奢ってあげたい
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年越しそばおせち七草おわったら 恵方巻きのあとチョコレート色いろ(街が)
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明けましておめでとう言う明るさに収録だなとラジオ聴きつつ
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交番で日本国旗を掲げてた今日は祝日旗日はたびとも言う
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デカければ デカいほどいい 「ハンバーグ」 「業務スーパー」 「犬」「道の駅」
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片足で立って靴下履けるのは今だからできることだと踏みしめて
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同窓会 「誰が最初に喋り出す?」 気まずい沈黙1分経過
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白富士は足下そっかに雲を靡かせるドレスの裾のパニエのように
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忘れてた重要事 お雑煮は正月以外も食べていいんだ
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どらやきをふたつにわけてときながれ つぶのあんこに茶の湯気のたつ
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空は青 風花が舞う くすんでる 顔にルージュの 一撃かます
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炊き出しの粥と笑顔にホッとする雪の下にはきっとタンポポ
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アメグレに包まれねむる初春の 嵐の海に光のみえる / Amazing Graceは救いのうたよ
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ふとした時に思い出される あなたがいたことなんか夢だったよ
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妻が呼ぶ トワイライトの 地平線 三日月薫る 富士の真上に
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