雑草とあなどるなかれオオバコの 踏まれ生き抜く手立ての賢さ
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虚しき縋る何かを探しても空は曇りで星は翳ろう
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淋しさが寒さになって忍び寄る季節が来たわ、あなたは居ない
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わたし以外みんな充実してるのに 己が道だけ荒野の砂漠
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夢を見た。家族五人で遊ぶ夢。ないものねだり ノスタルジック
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窓開けて銀河が産んだ風うける破れた恥は舞い散ってゆけ
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週末は模試模試ひとつ空けて模試 来年の春笑えるように
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「鉛筆で紙に他人の名を書いて箱に入れる」という権利有り
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大股で線路を歩く 童心に帰りきれない タイトスカート
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生きたくて 紡いだ言葉 過ぎてった タクシーに託し 小道を歩く
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ハロウィンを テレビで見てる 受験生 「あと五ヶ月か」と 募る危機感
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短歌でも かじっていれば そのうちに お迎えが来る 南無阿弥陀仏
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スマホなし ラインもなしで 若者に 混ざろうなんて 愚かな想い
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しんしんと肩に積もった寂しさに戸惑う僕を見守って月
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いいね「1」社交辞令のタップならないよりマシな「0」の底上げ
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わたくしの歪んだ脳を通過する歪んだ君の歪んだ思想
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こんなにも無数の窓に明かりさし行けども行けども見知らぬきみを
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接点が 欲しくて落とす 消しゴムに 君の名前を書いてたんだった・・・
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ハロウィンの仮装行列よりもなお賑やかに選挙カーはゆく
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ふと思い出した遠くのあの人はもう投票に行っただろうか
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家の中、私だけしかいないのに、聞こえてくるのは誰の物音?
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皮硬く噛んでも甘味のないトマト考えて喰む死ぬということ
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何億光年離れた星も見えるのに隣の君は遠く感じる
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三時間 ずっと考え 送ること 「遊びませんか?」 LINEのスタンプ
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平凡でありきたりだと捨てた日が懐かしき詩の一節となる
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「あっ これ買お」 どんどんカゴに 入れていく 会計見てたら 全部 割引
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夜の九時 どうでもいい事 君に言う 「おやすみ」言えない 寝落ち電話
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豊かさは人間の屑の堆積の放つ鬼火の数で測れる
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「あったか~い」に紅葉をする自販機に僕は小さい秋を見つけた
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今夜も遠くピアノの音が聞こえ来てどこかで誰が想う小夜曲セレナーデ
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