寝る猫にたからものだとささやいた 長いおひげのやわらかなこと
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窓開けた瞬間どっと吹き抜ける 春風と踊る君のストール
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君の手の平に 広がる僕の夏 握れず終わる 秋冬あきふゆと 春
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また行こう 別れはいつも東京駅  明日から現実友も私も
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新緑や 君が隣にいた頃も こんな緑に 囲まれていた 
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今ここに『どこでもドア』があったならどら焼き持ってのび太の部屋に
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猫の骨 渡されすぐに抱きしめる  生きてる時と同じあたたかさ 
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カラオケでビデオ通話をしていたら 歌聞こえぬと人々のぞ
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おない年 はやまれだと 誕生日 遅いその分 やっぱり若い
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小田急が地下にもぐった下北を見下ろしながら飲み干すゼリー
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使い方も理解せぬまま買う機器は嫁姑の初顔合わせ
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魂のグループあると言うのなら次も会いたい友達と推し
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彼岸過ぎたまたま知った推しの死に涙流して感謝伝える
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寝不足と酔っ払い氏のテンションは 似て非なるもの‥いや一緒かな?
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まったりと酒飲みながら料理とか してみたいけど「私は不器用〜♩」(私は最強〜♩ふうに)
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遠鳴りにガキの絶叫 苦笑い 思い出したるオムライスの味
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雲多く気分も晴れぬ週末も 吾にとっては通院日和よ
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翔平しょうへい一平いっぺいの文字に「たいら」あれど 二人の人生 「たいら」にあらず
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走ってて揺れる毛先に手を伸ばし頭の中の手綱を握る
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れぬ足袋たび いて高鳴たかな下駄げた こころおどるよ 湯気ゆげのままに
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さだ過ぎて くれば春にうちなびく 花も果敢はかなく降る別れじも
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今日の鯉打線キーマン誰かなとビールと会話しながらテレビ
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だんだんと少女の顔になっていく 子の横顔をふと眺め入る
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春過ぎて薄着になりゆく子の横で ママの装備は徐々に増えゆく
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猫は良い ふわふわ きらきら ぱやぱやの 毛に包まれた祝福の玉
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空バギーバギー押し息子を抱っこの若いパパ、坊は何気に誇らしげですよ
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お前らは鳥のつもりかもしれないがお前らのフンを片す人もいる
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白妙の 澄んだ言の葉 今日老けて 夢に出てきた ことのバケモノ
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なけなしの勇気を使う時がきた使うとは確約していません
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学歴を他部署の課長に嫉妬されうらやましいならデモでも起こせよ
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