新しい 曲は覚えず 懐かしい 知っている曲 ずっと忘れず
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破滅さえ幸せになるそんな嘘信じた僕も馬鹿だったけど
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恋人になりかけていた君が振る健気な手はこの世のすべて
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温かい 生姜紅茶を 飲みながら 冷える身体に エールを送る
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気は急くも 余力なければ ペースダウン 弱る身体も ストッパーになり
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秋夜長 貴方はきっと 本を読む 栞になって そばにいたいな
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暁のごとき血潮の流れたる 我が行く末を表すらむや
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息切らし足を前に、前に出して 「どうしてなのか」 あきらめたから。
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「なき、きみは赤きからすを見しためしやある」 海坊主こなたを 見たり
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決断は 後にするべし 今はまだ 心身ともに 落ち着いてから
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たくさんの言葉をつむいでくれた貴方きみ 心のノート足らないページ
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目まぐるしく移ろふ空に時雨虹しぐれにじ 淡く儚い寂しさありて
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思い出の高校時代の吹奏楽テーマのようなる「鉄腕アトム」
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今寝れば 明日がすぐに やってくる それは嫌だと 思い夜更かし
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穴ぞこで滅入る時期でもゆるゆるとアレグレットで力抜こうね
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最後から何番目でもかまわないうしろから数えたらはやいだけで
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裸木の数多持ち上ぐ宿り木のひと月前は葉陰にありし
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青空に枝を拡げる大木は数え切れない宿り木捧ぐ
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金色に 光る銀杏の 道抜けて 昔話に 花が咲く母
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枝豆は冷たい方が好きなんだ 焼き枝豆も美味しいけれど
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禁煙を君が心に決めたとき僕はぼんやり終わりを悟る
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老いてなお息を切らせてペダル漕ぐ あの爺さんがまさか逝くとは
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治らない指のささくれ血が滲み 痛みに逃げる自らを知る
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霜月の冷たい雨夜をあたためる コンビニで買う一合の酒
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霜月の冷たい雨夜を耐え歩く 息子のお古のトレンチコートで
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秋日浴び世界ではなく一匹の蟻の動きを気にして見てる
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もがけ 闇の中でも光の中でも 貴方がいれば怖くないの
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分断の斜面を共に堕ちてゆく知人と他人隔つ薄膜
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脱水の終わりし音を問答の無用の生の停止に重ね
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星をもふもふもふ食べてあらわれた蓄光体A きみのことだよ
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