本棚の奥で眠っていた本を開く ここから春が始まる
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この世にて 穢れたものは この世にて 清められんと 道が示さる
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天の父母 幼き子らを 抱きしめて よく頑張った 帰って来れた
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人の世に 天へと続く 道あれば 見出す人は ほんとにわずか
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戦えば 憎しみ生じ 殺すなら 殺されるだけ 悪の数式
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苦難こそ 人を鍛える 手段にて 文句も言わず 楽しく過ごせ
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この世にて どんな事態に なろうとも 優しき心 決して忘れず
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悲しみは 欲から生じ あきらめは 感謝を生ず 不思議なもんだ
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こうなれば 汚い真似は せずに済む 潔しとは 惨めなもんだ
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年を取り 緑内障を 患いて 失業の危機 失明の危惧
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雑踏の 中に見出し 幼子を 抱きしめ叫ぶ ごめんなごめん
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進歩なく終わる二月もあっていいよね、と笑って鯛焼きを食む
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ねえ僕はどこまで生まれ変われるのかなこんなやさしい雨にうたれて
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戯れる夢よ現に化けたならあの猫はまだ子どもだったのだ
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睦月(むつき)の陽日々一日が長くなり凧を上げるの糸切れるまで
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もし仮に私のいない世界でも時計は回る一日が来る
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まだ知らない国の地図を少しずつ なぞっていく様な人生だ
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頼むから 見捨ててくれよ僕のこと 墓のなかまで付いて行けねえ
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あの春に置いてきた赤が冷めており 青い春って失恋のこと
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群に生き群に死ぬべく造られた……ままでなくてもいいんじゃないか?
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この風は優しすぎるね剥がれない付箋を貼って春のてがかり
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焼け焦げるような思い とあの人の言ってた意味がわかる気がする
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少しだけ 貸してください 君の手を きっと必ず返しますから
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だとしても舌絡みつくこの甘さハイチュウのやう恋の後味
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ひとかかえの闇がnéantと啼くもんだから誰か連れて帰ったのだろう
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あなたには着飾る意味はないけれど漫画でなくて新書を開く
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戦争を始めた人の呼ぶ声は戦わされる声と似ていて
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イヤホンの右の耳当てがよく消える すぐに見つかるかくれんぼみたい
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なんでまた僕に優しくするんだよ 悪者のままでいさせてよ
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カーテンが風を捕らえてはためいて 私の部屋の動力になる
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