兄弟や親との絆背景に仲間と繋ぐ襷の重さ
11
ベンチにいるが心は海原へと向かう 氷川丸の錨にユリカモメ並び
16
蕁麻疹で8年薬疹で10年母のアレルギー体質受け継ぐわれは
11
ドラキュラでない私は朝昼夕いぬを引き連れ太陽にあたる
15
元日の客待ちかねて早々とコップ一杯酒飲みにけり
15
亡き父が丹精こめし白梅を元旦なれば玄関に置く
26
元旦のまぶしき太陽目にしたる妻はおもはず合掌をせり
10
泣けてくる 寒くはないか食べてるか 知らない人のこと思う朝
21
近いから届けに行こうかこの水を 思いつつ見る水の直線
8
想定やデーターを越え走る若者ひと箱根に起きる青の奇跡よ
6
箱根路を若人達の駆け抜ける 地を鳴らしつつ風を切り裂く
6
深爪とまつ毛にのった雪にだけ僕が泣いてる訳話そうか
20
お年玉いくつも手にして吾子の子は チラッとママ見る小さき眼
8
驚きて次に悲しいこと起こり 家族皆して寡黙な初春
12
大地震七十二時間の壁迫る 埋もれる人の無きこと祈る
8
日常と言う幸せの奪われし 北陸の地に雨降らないで
7
帰省して「おう」しか言わぬお互いに言葉不要になるのか父と
30
夜毎よごと襲う不安をはらう温かな朝日にそっと指をからめる
9
夕焼けを背負った雪が着地するばあちゃんからの手紙なのかも
17
凄惨な能登の街並み次々と余震に怯える孫らを案ず
20
極端に近視の僕は「戻ってこい」と太陽に向かって叫んでいた
4
古びたしおりを除け 林達夫の随筆essayを読む  嘆息しつつ
5
天井に忍ぶネズミよ今日だけは、朝までずっと足音鳴らせ
7
募る不安弱音を吐けば糸伝い、「ここでみてる」と網の先から
5
人生のハイライト載せたプロフィール 左スワイプ興味なし選択してされて 恋は生ものなのに、ばか。
4
愛の実感なんてものほしければ幾度も砂時計さかさまにすれば
8
元旦に震災思い出すなんて 止まらぬ揺れに神も仏も
17
捨てられない思い出集めしがみつく女はとても荷物が多い
38
だらしない怠け者では無いらしい汚部屋住人確固たる訳
7
未来って明るいことしか見えぬよに 誰かに目隠しされてるような
21