悲しみも 喜びさえも 感じない 悪に染まった 氷の心
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鮫の脚テレビの水面を泳ぐから 蛙は笑うきっと明日も
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世の中に とんでもないと 思うほど 悪人が住む 平気な顔で
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慌てれば 右を左に 間違えて よからぬことに 思いを馳せる
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欲望は 満たさぬことが 肝要と 悟るまでには 百年かかる
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一輪のユリの重さで落ちている腕明け方の床から拾う
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初春の 鼻腔擽る 花の香 別れ惜しまず 送る餞別
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プーチンも ムッソリーニも ヒットラーも 魂売れば ただのロボット
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ポケットに豆大福を隠し持つ 今の私の目は捕食者だ
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死に絶えた赤い葉ですら太陽になお色めいて青い春
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純粋でなにがわるいのとうめいな水と太陽とあおい草花
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ぶちゃけこんなアドレナリンのせいで空がやけに明るいし 麦茶飲む
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花と蝶 負けじと君は胸を張る セボンスターの首飾りして
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寄せて引く波打ち際がかろやかなフレアスカートめく春のうみ
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故郷にひかれる如く帰郷せり芹を摘みけれ旧正月
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眠ってるあいだに枯れていたらしい最後の声を聞いていた耳
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わたしたちこんなに同じでないのだと気づかせてくれ、言葉は、常に
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セリナズナゴギョウハコベラシャララララはねだしそうなはるのはなうた
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何だっけ 出る所から零れ落ちそうなシャンプー みたいな人生
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電柱の五線譜眺めアルペジオ聴こえる街に住んでる響き
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あの時に一杯の自信持ててたら 違う分岐の人生だったか
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私しか知り得なかった優しさが 誰かのものに変わるさびしさ
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取りどりの色の中から青線を体育館がくれた入部日
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横浜に残る足跡今の彼女で踏み替えてさよならアルバム
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昨日の大気漂白される始発前 高音かすむ蕎麦屋の演歌
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単語帳、ノートを見返す隣の子平和な戦士は入試へ向かう
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二年前の僕もここへ立っていた入試の朝の三番ホームに
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てっぺんの苺は最後に残す派の 君でさえも不純な心
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記念日にコンビニ産のローストビーフ 美味しいねって言える関係
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この恋がさめないようにタイミング図りつつも鮮度が決め手 
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