料理だけ褒めてもらってズルイよと 育児、洗濯、掃除がふてる
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難問に 出くわす時の対処法。 「悩める君見て 少しにやける。」
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飼育流刑室1725号に星図渦巻虜囚へと降る脂粉かな
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この部屋に君の私物が増える分だけ膨らむ別れの寂しさ
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予想では僕は今頃ヒルズ族 予想はずれてヒルネ族となる
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君の名は歌にしにくい文字数で頭のなかでセロリと名付ける
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憂愁夫人加はりゆきぬ葡萄の咽喉越えて鉱物の恋標本箱へ
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このきすを みていたひとは エレベーター モニター係 さんにんの秘密
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そのころの かんけいせいや 人物像 おもいでのなか いまはべつじん
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「焼け木杭ぼっくい」「焼けぼっくり」と思ってた だからかいまだ火がつかないのは
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「これが好き」 ちいかわ沼の君が言う あなたはハチワレじゃないくせに
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百年後 君と君の好きな 人の子が ミズキの花を 贈りますよう。
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笑ったり愛想振りまくこともないパンダが見せる俺様スタイル
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「じゃない方」を選び続けて来たらしい 「じゃある方」も似たり寄ったりで
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やわらかな歯科衛生士の指先に歯医者の恐怖たちまちに消え
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秋すすみベンチに引っ込む扇風機、代打まかせたUSB扇風機ファン
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初飲酒 唇舐めて ふと気づく ゲームカセットの裏の味
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我が猫に憧れ買ったファーベスト 見た目も機能も猫様の勝ち
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十五才少年の海を流れ来る花粉航路の壜詰の歌
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ハイヒール脱ぎ捨てタバコの煙越しに見る 先輩キャバ嬢 すっぴん別人
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ギラギラのこのネイルでも掴めるか? 正規雇用と君の胃袋
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会いたさは秋の夜長に咲く桜 実家の前まで迎えにきてよ
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秋晴れに飛行機雲コントレイルのたなびけり見知らぬ人と同じ空見る
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秋雨に 憂いて思う 心情の 思う心 遠きの未来
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秋の朝 “トイレ貸して”と来る客に 張り紙したい “鳥お断り”
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今日はもう疲れて何もする気なし!なんて言ってはみたいと思う
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階段を 昇る途中に ヒコウキが 窓を横切る 幸運のしるし
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貌の無い狩人はキミ 凶悪な水銀に死す畸型のけだもの
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“感性が無いね”と言われ萎むより 萎んだ私の感性褒める
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別れ際ちらりとくれる一瞥いちべつすら 日記に書きたい、きみはかわいい
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