死ぬ前に三十一文字になけなしの変人性を消費してゆく
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両翼を 鳥の如くに 広げつつ 春の青空 旅客機は飛ぶ
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嬉しきは 早春の朝 空高く イソヒヨドリの 鳴くを聞く時
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日々起こる 些事に潜みし 理コトワリは 所業覚えぬ 他生の縁エニシ
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息子の荷物 航空便で 届けられ 帰省する日を 指折り数え
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どうしたら貴方の愛するものたちを 同じまなこで見れたのかしら
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吾子乗せる遊具の重たそうなこと 大きくなった!と声聞こえそう
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おもひではさみだれぐもに端切れぬちかき人をば恋ふゆえなり
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二とせの臥薪嘗胆しかる後君の姿はうせにけり
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かきくらす心のまどひさらねどもいま立つ峰ぞ雲の分かるる
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あひたしと思うもあへぬ忘れんと深山幽谷我が目指す道
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見送りの母を抱きしむその細き胴にまわしたわが手余りぬ
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幽世へ行きて戻らぬ義兄の日々五十日祭の忍び手捧ぐ
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サブスクで プレイリストを 埋め尽くす まだ聴いたことのない 君の好きなうた
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次の日の寝起きの辛さ知りながら何故にまた飲む何故にまだ呑む
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春野菜グリーンアスパラじっくりと キャベツとともにウチの主力級
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押し売りと紙一重なり縁の糸たぐりたぐって取るアポイント
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君たちの汗で貼り付くYシャツも あと二年ほどで思い出になる
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柔らかい朝陽差し込む山手線 昨夜の騒ぎはどこへやら
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腹減った 昼飯抜きで 仕事した 吐き気の正体 これだった
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きらきらのクリームソーダの泡の中 今も映りし君の横顔
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丹沢の向こうに望む富士山を よそ見してまたターゲット見る
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淀川の向こうに見える摩天楼 住んでる世界が違うのかなと
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淀川を越えて未来へ連れてゆく マルーンカラーが君を乗せて
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逢坂はすこぶる遠いと思へども 行って後悔することはなし
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桜より一足早くサクラサケ 合格前線 昇れ君まで
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なにひとつ白きものなき夕暮れに感傷だけが輝いている
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年取って 言い間違えが 多すぎて 恥ずかしいけど まだ生きている
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なんだって 鳥丸彰 死んだって ドラゴンボール 持ってなかった
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かめはめ波 何年練習したことか おとなになっても お風呂で氣溜め
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