せっかちな秋の訪れ早すぎる 夏の名残に浸りたかった
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缶の山 恋の終わりか 酒の味 今日は帰さぬ 飲み友達
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ランタナと いふのか君は 知らなんだ ちっちゃなちっちゃな 紫陽花モドキ
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やめてくれ 誰にも響かぬ 叫び声 ならば殺そう 心を保つため
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お茶も良しスマホも良しと財布良し子供みたいに確かめてから
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亡き父が 綴った日記 子どもらの 日々を見つめる 愛に溢れて
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鬼が出る 季節の変わり目 いつなのか きっかけ掴めず 揉める鬼たち
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知らぬ間に慈しまれていたことを知れば今日日も背中がぬくい
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「貸本」の アトムと28号と ちかいの魔球 紫電改のタカ/ちょっと思い出したのでメモしときます
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秋風にプラごみひとつ転がりぬコロコロコロリ物悲しさよ
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朝が来た 感謝を込めてもぎたてのフルーツのごと一日きょうをいただく
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向い家の垣はみ出したクチナシの色付きし実をぬらす秋雨
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の岸も の岸もなし 海原を 白銀に染める 羽田の朝陽
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雨降りも秋の虫鳴く鳥も鳴く川の瀬の音蛙鳴く声
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拾ってはそういう時期もあったなと倒れた母の杖たて直す
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トマトの上 シャインマスカット(冷凍)など 添えまして 赤と緑で 彩りゆたか
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ちま猫の シッポはとても ゆうべん雄弁で あがってさがって ゆらゆらゆれて
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咲き誇る 赤い絨毯 夏の日と 君の笑顔に 別れを告げて
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青い空 涼しい風に 拐われて 蒼き竜胆 終わらぬ蒼
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ペシペシと 顔をたたいて ひらけごま 布団に入る 猫、秋モード
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あのひとの煙草の匂い覚えてるのは返せなかった文庫本
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秋風を誘ひ込む窓 人工の冷風と 長き夏にさよなら
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必ずや隣りの駅で席を立つ 私のマドンナ 妙典ばあさん(「妙典」は隣りの駅)
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陽の下を歩き営業一万歩 あれっ汗をかかない?秋が来たんだ
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対岸の火事がおとなり格好の週刊誌ネタ市長のラブホ
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遠き日の 君が微笑む 昼下がり 今は曇天 過去に囚わるる  
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覚えてる あの日あの場所 あの空気 最後の言葉は 覚えていない
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覚えてる あの日あの場所 あの空気 君の言葉が 思い出せない
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覚えてる あの日あの場所 あの空気 君の言葉を 察したことも
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友たちの 人生初の チャレンジに 勇気をもらい エールを送る
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