三つ折りにかれ燃える線香も うちのひとつぞひとり尽くらめ
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丸くなる 母に 毛布をかけるとき 全てのことが すこしわかった
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転売の儲け話で並ぶ列立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む /中納言行平 16/100
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うしろ髪 しなやかに揺れ 残り香溢れ 大地息づき 青葉生き生き 花咲き満つる
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詠ふ君 五十首の峰のぞみしや誰ぞ目指さむ険しき道を
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仕事終え 千鳥ヶ淵の 桜愛で お茶を一口 幸せ感じ
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想ひの葉ピタリ嵌れと追敲ついこうす想ひ鎮めよ短歌の神よ
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咲き匂ふ 職場の窓外そうがい 公園の桜を眺めつ食む おむすび/職場の隣には公園
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しんとした 病室にひとり 過ごす夜  廊下行き交う足音さえ恋し
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雨降る日 ラジオ体操 休みなり ほっとするやら 物足りぬやら
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風のに羽をまかせて飛ぶ鳥の声清らかな春はかろやか
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満開の桜の木の下ベンチ座る二人映えを楽しむシャッター音
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スワンと人の多さに驚きながら不忍池の桜満開
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「あげるよ」と言われたけれど「借りるね」と詩集に挟む栞の押し花
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苦しさの先にあるから恐ろしく 果てにあるから救いになるもの
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駆け込みで のぞみ飛び乗り 東京へ 桜の車窓 しばし見とれて 
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満開の 桜愛でつつ 一休み アイスティ―には 花びら浮かび
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会えない日。明日はあなたに会えない日。だから特盛り唐揚げ弁当食べる。
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川風に花はふるえて七分咲き あぎとを上げて酒を呑む五時
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人混みで 圧死の恐怖を 思いけり 改札口の 人波の中
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福寿草所望されては母演ず男の我も幸子の世界
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わかってる馬鹿馬鹿しいとは思っても強迫的な不安になるよ
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梅の園 春の夕暮れ 来てみれば 山の端かすみ 香りぞ溢れけり メジロさえずり
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岩肌に 沁むる霧雨 走り去りて 薫る草花そうかの 色新しき
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母叫ぶみんな起きろーにニャニャニャニャーと叫ぶゴロには爆笑の朝
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春霞立つ雪の辺の道しるべ来よと振る振る狐の尻尾
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風に揺れる薄紫のハナニラのミステリアスな風情に魅せられ
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シュッシュッシュッピーに階段駆け下る機関車みたくケトルへ向かう
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六年後私の役目を名乗るならアンタのことが好きなモブ女
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来年の担任だれかママたちは予想屋となり集ふ我が家に
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