やさしさを 受け止められなく なったのは 宅配ポスト 空いてないから?
8
考える 小さな漁港に昇る月は新宿でだって輝いている
9
新しく揃いの携帯色ちがいをつき合わせ老の脳トレ
16
出る機会見失っては冷めていく湯船の中で今だけ人魚
9
世の中の様々なこと知らずとも人は生きられるベッドの上で
7
明日からは下界くらしに戻る吾一期一会の四階の空
11
干潮に君は夢中で君探し満ちるのをそっと待ってたんだね
9
早春の夜更けの寒い風の日にうたにしたがい飲み干す梅酒
6
やることの余白を余計で埋めていく 締切前にパンケーキ焼く
15
できあがるヒエラルキーのピラミッド、観光みたいに下から見上げる
5
「お爺ちゃん、歌集は先月出したでしょ」「そんなの嘘だ!あの金どうした」
6
贈るのも、異国の情緒 愛国心 君のために言い訳にする
4
よく夢にみるふるさとの道をまた歩いた日それもまた夢かと
9
おおらかに 君は僕に触れ あたためる そのぬくもりに僕は慣れない
10
推し漫画 差し出しなぜか他人にも突然生える〆切 ごめん
4
いつまでも胸の内にはめいっぱい駆け回るきみ撫でられるきみ
8
色のない 潮騒をゆく 浜千鳥 岸に寄せるは 捨てられた夢
13
北風のまっすぐな朝 襟立てる老軀に ゆらぐ春の陽の差す
14
まどろみに ゆらり目を閉じ 身を任せ 春うららかな 優しい日ざし
12
ゆるやかに流れる雲と笑う君 この世に二人 されどまた夢
12
甘いもの 補給したとて 追いつかず ストレスの渦 完全包囲だ
9
大丈夫明日僕らは眠るから今だけ少し走ってもいい
8
やさしい人でいさせてくれる君の前ではやさしい人でありたいと思う
7
難病と判りし同僚ともは仕事をば続けたしと 全力で支えん
20
せっかくの 晴れだが強風 今日もまた 洗濯物は 室内待機
9
最期まで 乙女だったよ あの時に 一目逢わせて あげられたなら
7
朧月夜おぼろづきよ」 やさしい旋律 好きだった 春が来たなら 皆で歌おう
16
くしゅんと 風と一緒に 聞こえてる あまりたくさん 飛ばないでいて
7
冬の朝 布団出られず 気合い入れ 後もう少し 後もう少し
11
「初夏にまたライブが開催されます」に、生きていようと思った太 宰 治の気持ちで返す
8