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梅散るも 人と人とに 花が咲く
弥生吉日
(
やよいきちじつ
)
天神の市
19
春盛り髪邪魔になり留めてみて結んでもみて切る洗面台
23
藪椿水仙榊水芭蕉群るるが常の地を這へ一匹
13
弥生末 ねこたちまだまだ 冬ベッド ふたりなかよく 暖を取りたる
25
今生に関わる人は三人か亡き両親と今ある妻と
16
目に花と人の集いを転写した絵手紙へ書く笑う春風
23
歌声は未来へつづくリフレイン。
出発
(
たびだ
)
つ人へ『春のコンサート』
16
青葉の候 肥えた山々 迫り来る 春の妖精 呑み込まんとして
6
花離れ狂いし君に安堵して もう座標は重ならないのね
6
やがて来る 覚めぬ眠りを 思いおり 眠れぬ夜の 毛布を被り
12
お礼にとリュックにハーブ詰め込んでお茶を淹れよう月の満ち欠け
5
笑いあい情けがかよう芝居小屋また来るひとも去りゆくひとも
14
ふるさとをつくるよそ者北陸のひとにつっこむ舞台の袖で
7
あご髭に白さもまざる海老蔵似友はとほくにありて輝く
10
ひからびた木箱に入った
臍帯
(
さいたい
)
は母のつもりで私を呼んでる
17
けふもまた殊更などに非ずして過ぎゆくものをただ見送るや
16
トゲのない言葉を探す会話するへとへとになる今日も一日
27
春雨や いつもの電車 窓越しの 景色は緑濃く沁みわたる
13
隅田川 春の長雨 さよならと 流れる花びら 過ぎる思いで
7
野辺の花 黄色一色 ほころびて 揺らぐ春の陽 陽炎立ちて
14
勝手にも
吾の家
(
あのいえ
)
含む ここらへん 縄張りとする ダミ声猫
11
上向いて落ちる椿の見るものはまばゆい空か蕾の子らか
29
足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
28
生きるとは イキることでは ないのだと 高校デビューの 青柳に学ぶ
4
宵風や 腑と足
止
(
と
)
むる 夜桜と 雲間の月と重ね 眺むる
28
病室の窓から眺むる桜花 小雨にけむり しらじらと咲く
25
満開が
4
月
1
日
(
いっぴ
)
の 情報と 風情も何も 桜散らしの風
9
荒川の三角波は寒々と 花の浮かれをものともせずに
23
満開の桜に溶けて見上ぐれば知らぬ翁も我と並びぬ
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風雨受け 手入れもしない 庭なのに 数年前と 余り変わらず
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