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隣り合う ベンチで女性が
彼方
(
かなた
)
向く 少女じゃなくて 老婆の方か
3
階段を上れば明かる桜木の塀に隠るる集いのありて
18
ぼけ林檎 檸檬と砂糖で煮て旨し 外れアボカドさて如何にせむ
11
私のものと思いし国の旗そんな厭味になっちまったか
16
どうもって先行く我に「はい」と言う譲りし人の響く心音「こころね」
24
春淡いかすみの雲は花びらのひかりに染まるうすいかがやき
11
「なんにでもなれる」と言われたあの春の教室にまだ私だけ居る
14
何となく幸せ感じる一瞬が 消えずに続く
術
(
すべ
)
ないものか
14
垂れ込めた 重い雲の隙間から ひとすじ陽の光 桜輝く
22
水温み 保湿ケアも
漸
(
やうや
)
う終はり 使ひ余りぬ ハンドクリーム
29
子が髪を切られてる間に遠ざかる「戦争中止」のスピーカー音
13
施設から介護に帰る先輩のくるまを照らす半分の月
13
舞い落ちる 花も 頭の高さまで 積もってずっと 解け残ればいい
6
早くから武道で鍛えし先輩は幾つになるも頼もしく見え
15
妬み書くメモを捨て去り夢追いの光りし風を胸へ抱こう
25
人盛り 駐車のできぬ花盛り 今年はGoogleマップで花見
17
人間の顔にはダニがこの星の顔には俺ら人間がいる
7
千段を登りつめて東照宮駿河湾凪ぎ風晴々
(
はればれ
)
し
7
両の手に紙の手触りその重み彼女の横で流れる静謐
6
⋯リルと⋯ビア⋯ミン⋯ヂン⋯チンと名を言って卓に並べて飲む薬かな
17
ほんのりと東を照らす朝の日は飛び立つ
鷺
(
さぎ
)
の透ける羽色
14
猫柄の茶碗に 猫柄マグカップ 猫マドラーに キティのピーラー/うちのキッチン
24
君が代も無くふつり閉ずさまを聴き今朝は閉じたと案内も聴く/ラジオR2終了に
20
春休み息子家族のUターンにぎわいの跡残したままの
31
山頂に捧げしカフェの湯気へ乞う友との無事の劔の下山
26
鉄錆を研ぎ澄ませれば三日月の芯より清き真(まこと)極めり
22
水仙は白と緑でできている「仕事やめて」と言われた昨日
11
『エレジー』という名の記憶断片が七十年の
縁
(
よすが
)
と知りぬ
14
老猫を抱き上げ軽さ驚いてうまいものなど食わしてやろと
24
積読を発掘中に重複をまた二つほど見つけ呆れる/持ってたのかよ!
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