味噌カツを 初めて食す 友の顔 新たな出会いに 驚きあふれ
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はぐはぐと ねこが オヤツを食む音が いとしく 一瞬音楽とめる
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人並みの幸せ素通りしてきたね歌を詠むにはちょうどいいけど
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我一人何をか思う夜明け前生まれし意味を思わずもがな
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胸張らず下見て歩く 今日だけはいいよねだって恋と別れた日
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わが叔父よ父の恩を忘れしか終わりて後に何をか言わん
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とめどなく語る目に涙 きらめきは彼女であふれ私ではない
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生まれ来て幸多かれと妹よ早すぎろ死に父母の慟哭
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別に君 いなくたっても へっちゃらさ違うよ会えたことに感謝を 
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食材と洗濯物を嗅ぎ終えて満足してるいぬ年のきみ
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グァバの実の甘い香りに包まれて義姉あねの墓碑立つ高台の空
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猛き父難き時代を幾年や其の本意を誰か知るまし
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見て見ないそんな報告したくない それじゃ世界は歪んじゃうよね
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おれ人間 向いてないやバッタとか良いんじゃないの とどこぞの二人
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AIの好みはあれど「解釈」をつけるだけですいい先生です
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「ハイキング日和ですね」と言いながら山登りなんてしたことがない
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簡単に自分でこさえる好物が世界で一番美味うまいと思ひ
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これだけか国勢調査入力し昔何やらめんどかったと/敷地面積とかあったよなぁ⋯
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アオバトを屠る刹那は嬉しきか出づるハヤブサ居並ぶレンズ /大磯照ヶ崎海岸、8月、9月の迷惑な風景です
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温めた思ひ連なり歌となり心を撫でるほがらかな午後
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愛おしい生命いのちと語らう日々だから八百万やおよろずなる声も聞こえて
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コスモスにノビタキ一羽留まりおるカメラ百台これがDQNドキュン
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鳩たちは 今日はみんなで 水浴びだ 十一羽いる あら、もう一羽
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曇天のそれは正しい道である重なる雲が囁き動く  
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袖抜ける秋風の涼 深まりぬ エンジン音の賑やかな路
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あの夏の 想いを忘れ させるな 夏をまた待つ 歌でも詠んで
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そっちから見た右じゃないこっちから見た右だからそっちの左
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墓場までホントのことは持ってくよファーストキスはお地蔵さんと
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ゆすぎた時間ときをゆるりと薄めてく ザクロジュースは氷多めで
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飯食めぬ枯れ木のごとき背を支え 湯浴みする老父ちち吐息零るる
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