空想このこいを「なわけ」と言いつつぼんやり眺め「そうだといいな」で眠る夏の夜
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僕などがどんなに焦がれ願っても きみをこの手で抱き締められない
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生き物が死んでる肉を買う場所の花売り場で二割引きの供花くげ
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運転中ふいに君から「好きなんです」 待ってよあいみょん止めて聞くから
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道端でぱしゃっと撮った空色を送ってみようか日曜日の暮れ
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手の平と胸の熱さに慄いた (僕では君を守ってやれない)
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あなたとの散歩が日課になったから黄色い花の名覚えてみむとす
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輪郭が消えていないか確かめる 体温と気温が近い日で
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AさんがBさんのこと見つめてる 事務机の上 私はホチキス
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とけてゆくさくらのはなが視えるのです 耳に音像 まどろみのいろ
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ちょうどいいグラスがなくて大きめのグラスに入れた思い出ゆれる・
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あのときも気を利かせてたつもりだよ うまくはいかないかっこ悪いおれ
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恋人の頃の思い出が苦しくて古紙の日のため日記を縛る
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「鬱」という字が書けたなら君のこと理解できてるような気がして
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新婚は幸せな時期と聞いたのに君の笑顔はどこへ消えたの
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平日の生クリームはパンの上 トーストしない方がよかった
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秋のひが落ちる それを見るノはあなた 木から降りてきて冬支度しよ
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世は地獄ここに残していけるかと好きぴ(遺体)を食った終末
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眠らない街、人、木々に囲まれてやっと眠れる貴方でしたね
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朝四時にヤクルト1000を買っていく男でしたと紹介されろ
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炭酸の弾けた泡で皮膚を刺す 流入するは夏の幻覚
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突き詰めて言えば「自然」がほとんどの人の苦痛の原因だろう
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言い合いは被害者ぶったもん勝ちで 気付けば僕は加害者らしい
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いざ一戦 あの子を前にこわばって 我のういろう しゃちほこならず
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デビューした蝿と一対一になりジリジリ握る新聞紙なり
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ステージにたったひとりのきみがいま吹かせる風で変わるよ、世界
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太陽にまみれて輝く君の髪これから夏の季語と制定
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二度見する イケメン越しのイクメンを  どちらでもない人の隣で
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朝焼けの 街は凛として 冴え渡り 果てまでも連なる 電線の柱
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数学はさっぱりだけど現国は得意で君の気持ちも読める
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