いくときに ひもじいおもい させたので ぶつだんならべる。 くもつはへらぬ
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バァバゆき イベントなんかは いみうすれ きのうとおなじ きょうすごしてる
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あたたかさ求め握った手に触れるポケットのなかレシートのゴミ
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不貞腐れ毒づきそしてまた一歩歩み始める波間の少女
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現在いま以上寂しさでない災厄を私たち皆引き受けかねて
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万全ばんぜんの 体調たいちょうなんて 一年の うちに何回なんかい あっただろうか
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寒々と窓に灯点る施設あり夜闇淋しいバス通り沿い
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pierced・earringsピアッスド・イヤリングス ただ飾る耳朶 潤む瞳を忘れたままで
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インフルの予防接種受けてから数日経つがまだ肩痒い
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目覚めから寝落ちするまで漂うはあなたの気配抱いて過ごす
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想い人 電話越しでも 良いからと 片付け共にし あゝ愛し
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キッチンの小さな明かりで啜る時カップヌードル本領を出す
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山肌の白さは虚ろ遠いまま 足元ぐしゃり 明日そこに立つ
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雪積もる鬼瓦さえひび割れて朽ちゆく寺に人影ぞなし
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母の愛 知らないつもりで 居たけれど 愛がなければ 作れぬコロッケ
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直列のいぬそれぞれにリード持つ空いた手繋げばビビッとくるかな
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流れゆけ夜に凍える魂へラジオ奏でる『愛燦燦』よ
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見定めぬ夫のこころのそのかたちすでに後期高齢なるも
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実験の 終わらぬ夜に くるくると るつぼの中で 私くるくる
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走り去る配達員のバイク音 乾き切った寒空に響く
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「野郎だけの ムサい会だよ(笑)」と言う君の 瞳の奥で ゆれるさざなみ
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骨を折り顔を潰して肩落とす脛を齧って首が飛びそう
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この夜も 一人じゃないと 知るために 花を育てる 線路沿いに住む
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テッパンのお土産菓子に舌鼓 つまの笑顔で温もる寒夜 /博多通りもん
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スマホって正直だわねガザガザの指は好みじゃないんですって
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世界には知らないことがいっぱいでだから明日も生きてゆけるね
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えぐれてる口内炎を舐めながら「にくづき」を月と書く訳を知る
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触れた手が凍る海から掬い取る サルパの触手 心絡めて
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シルバーのブーツの女性もその挙措と瞳に愁い煩い秘めて
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子どもの本磨きて存外装幀が綺麗でやにわに嬉しくなりし
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