Amazonの半ダンボール封筒が雨から本を守ってくれる
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しあわせと言い聞かすから今日もまた電車に乗れるしご飯が食える
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進めない己の形を保つのに精一杯で戻れもしない
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朝寝髪くしけづる子のまなざしのまなくひまなくわが恋ひわたる
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「あの頃は私も幼かったよ」と十年後にもまた言うのだろう
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‪Amazonの半ダンボール封筒で持ち歩きする大切な本‬
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献血をしたいがためにやめていた再開しますオーバードーズ
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断られ帰る献血もできない私に何が残ってますか
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落書き帳「こんな僕でも献血ができた」途方に暮れつつ閉じる
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‪少しだけ垂らす血液A型のまごうことなき人間でした‬
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胸元に秋の気配感じつつ 「別れた雲はまたひとつになる」
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‪うつ病がなおらないからきみのこと好きな気持ちもたぶん病気だ‬
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詩の中へ嘘を練り込む役割の人差し指じゃいいねはしない
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黒髪の人ばかりいるのり弁が電車の口に吸い込まれてく
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‪のり弁ののりみたいだね見下ろした半地下にある電車のホーム‬
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せかいには光差し込む場所がありその切片を書き出している
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‪昔からファンですという顔をして本を読んでるどきどきしてる‬
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かたまりのローストビーフの肉汁が溢れみらいをはこぶ原発
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いそのかみふる雨ごとに秋ふかみからくれなゐに染まるうつし世
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‪居場所ならマクドナルドの壁際にこの喧騒に守られている‬
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この歌を読んで貰えて嬉しいな貴方の五秒頂戴します
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‪幸せな気分でい続けることを今日最大のミッションとする‬
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目の前で煙草を吸っておきながら御社の潤滑油を求めるな
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あべこべの事しか言えなくなりました貴方の事が大嫌いです
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リズさんの音頭を笑みつつ提唱し 優しいスマイル姉上の顔
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東京の券売機は吸い込んでゆく ひと月分の最低賃金
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高望みいかなるものか迷われる分不相応身の程知らず
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唯一の緑の楽園川崎の 「立花の森」水涸れ閉じる
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金色のちひさき星のかたちして秋雨に散る木犀の花
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緩やかに狂うを恋と仮定して 愛で正気に戻るか否か
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