蒼天のはるかを仰ぎ深呼吸 憂いも霞む 春色しゅんしょく山峰やまお
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登る陽に照らされ解凍されてゆく油画のよう海のこの街
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商店街老舗通りのアパートは便利そうでも値札厳しい
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初めての列車の旅で便座詰め四つ並んだリュックパンパン
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世も末じゃ釣られるはずのワカサギが世をうろついて人を釣るとは
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ワカサギのタネは尽きまじ平成の二条派の次令和京極派
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潜れないジャングルジムがお前の子供時代はおわったと鳴く
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寒空に 名物団子や 並びし面々 先週もお会いしましたね
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いろの無き 尖りし冬を見送りて まあるく優しパステルの春来る 
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折れた身体の 一寸先に 光見え また取り戻す 心の鎧
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「再発と 共に歩め」と 言い聞かす されど心は 闘志満々
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咲きいそぎ 去年ならもう 花筏はないかだ せめてひとひら 今年はまだか
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春の日の僕らを撫でるそよ風に睡眠薬が混ざり込んでる
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花が咲く枯れる実が生る葉が落ちるそれだけでいいなんて幸せ
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本当に本当にただこれだけで良かったものか分からなくなる
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「どれくらい」? 嬉しいことは 一番に きみに伝えたい それくらい好き!
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目を瞑り 液晶越しに 声がして 君がとなりに いる気がしてくる
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弱視には見える全てがグラス越し 眼鏡が嘘をつかなきゃいいが
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もう二度と 会わない人のこれからに 分からないけど 幸あれかしと
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大丈夫じゃない日も大丈夫って胸を叩きながら歩く
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君がいなくなって携帯の容量と一緒に心まで空いてしまったよ
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記憶はナマモノで足が早いですよ
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今何時?聞いても、同じ時間なのに隣にいないんじゃ違う時間だね
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今月も指先に新しい小宇宙
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少ない生活音の中では生きることを感じれないかも
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新しい 事をはじめる タイミング もうワンチャンス 四月始まり
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青春は歩む先にと思ってた気づけば背後に灯されていた
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障害と聞こえ悪くもその裏の「秀でた才能」見てはくれぬか
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貧乏も恥じることなく堂々と我らは国に生かされている
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コロナ禍はマスク買えずに作ったな今パンストで髪の毛結ぶ
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