蔦葛つたかづら色づきにけりくる人もなき山里の柴のまがき
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明日には忘れていいよ 僕たちが親友と呼ばれていたことも
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〝大丈夫?〟疲れた母へ二歳の子 優しい心が育っていました
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マイベビー、どうしてそんなに泣いてるの? 母といえども分からないのよ
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ふと腕を伸ばした瞬間稲妻が腰を貫き安静となる
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週末に遊んだツケを 慈悲深く照らし乾かす秋の陽射し
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木枯らしとは程遠い陽気 ほぼ夏日 風はさわやか 立冬も近し
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目新しいパン屋に行くとつい買いすぎ 今日も明日も朝昼パンだ
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半月はんげつは 喜怒哀楽も 半分に まあるい月を 分け合うように
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味噌汁の具には困るの分かっててバラ売りはつい大きめの芋
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日本は しがらみないの イスラエルに 停戦あつりょく かけられる国 /欧米はアウシュビッツ ユダヤ資本に忖度
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鶉鳴く竹葉山たけのはやまに秋たけて霧深草の里は荒れにけり
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朝おきて ちま猫ちゃんの遊んだあと 散乱したボール片付ける母
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ヤマザキのシール集めをお休みし ちょっと美味しい安いパン屋に
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平成の良きことならばいくさなし食べ物よければ皆長寿
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直らない 玩具おもちゃ抱きしめ 泣く孫に 根負けじじい 同じ物買い
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大鏡の前に来てふと立ちすくむ よれよれの服くたびれた顔
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鬼の子と呼ばれて悲し蓑虫は  己の蓑にて木枯らし凌ぐ
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田鼈たがめ栖む源五郎泳ぐヤゴ育つ田圃で泥鰌どじようは田螺とあそぶ 
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できたての蒸しパンにだって簡単に幸せだなって思えるのは朝
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参道に夜店が並ぶ秋祭りランプの明かりにわく わく走る
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天辺てっぺんの 蕾み朝露 光らせて 末世を走る 次の世のため
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北風に杜鵑草ほととぎす咲く庭のすみ 白花 むらさき黃上臈 きいじようろう
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ひきこもり 夏は暑いと言い訳し 冬は寒いとコタツにいます
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家持のこよなく愛せし二上山 雲に隠れて姿は見えず
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金曜の朝はタウリン3000mgさんぜんを胃の奥に流し職場戦地へ向かう
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カツカツと音する靴で歩いてみよう背筋を伸ばして 老いてたまるか
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明か時のキッチン立ちて豆挽かば こころの底に灯る言の葉
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ドラゴンに キスをした後 目が覚める 大きなイビキ お前かドラゴン
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竜宮城 街のネオンに 呑まれてく 貴方の腕に 力を込めた
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