くにの 秋はけだし寂しからむ 千重ちへにしきのなきと思へば
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睡眠を 急な胃痛に 阻害され たったの2時間 夢を見ただけ
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ゆふづく日 さして朽葉くちばのふりうづむ 山にもおなじ秋はにけり
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きむたくを長介のように描く楽しみ我らは知れり 似顔絵教室
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まいにちが猛スピードで過ぎるけど あの日にこころ置き去りのまま
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目が合った 星も私を見つめてた ちょうちょはいまだ捕まえられぬ
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この呪詛も このドロドロも この傷も 「愛」でなければ なんだというのだ
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「愛」朝起きて 隣の裸の 眠り姫 風邪ひかぬよう 毛布でくるむ
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名のごとく あの猛暑なつ超えても咲き続く 永年勤続賞 千日紅
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星屑も 金木犀も あの日々も 寒さと共に 夜凪へ溶ける
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雪が散るスノードームを切り取って眠りの中で百ループ見る
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怒りたくないのだけれど度が過ぎてシラケついでに怒鳴ってみたよ
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まどろみの 夢見の狭間に カーテンが 瞬きをして 朝日が漏れる
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人生も「スタート」メニューの中にもうシャットダウンの項目がある
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噛む爪がなくなる事にストレスを感じてめくる指の薄皮
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現世を漂流しつつ忘れぬ様手首に刻む生きた日にちを
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知って欲しいことと知られることの差に動物園の猿を思う夜
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休みつつ歩き続けるのがいいよ倒れてもなお鼓動はつづく
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糸が皆ほつれるような夜ですね糸などどこにもないんですよね
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世の中を見通すくらい真っ白な髪になるまで生きてたい僕
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認知症の祖父の元の性格が忘れっぽいし頑固なんだが
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結末のその後を考えられぬから、他人と見れない恋愛映画
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怒ってる顔もかわいいこんぺいとう機嫌なおせば食べてあげるよ
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世の中の出る杭を皆で叩きつつ他人ひとに個性を求めるなかれ
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発熱で苦しき喉を通るのは 息子がくれたコーヒーゼリー
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母さんの照り焼きちょっと違うよね。お肉ぜんぜん柔らかいもん
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息子から無事帰ったとLINE来て 安堵と感謝と眠気が一気に
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晩夏から まぜごはんづくり マイブーム きのこニン ごぼ 予定はシーフード
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義母かあさん スマホ見つめて 不安そう 画面覗くと パズルゲームか
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父さんが彼だった頃初めての手料理がそれ鶏の照り焼き
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