自らも知らず逝ったか これほどに 哀しむ人の多いこととは
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よる3時 眠れないから 右上の 果実をもぎ取る感覚で スマホ
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どろどろと絵の具が混ざっているようなまだらな色の私の心
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天の川よっこらせっと引っぺがし畳に敷いて冷やす夏の夜
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もう二度としないと誓った二ヶ月後  十時を指す針 絶望の起床
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青空を 切り取る四角い 鉄格子 なにを思わん 縊死を待ちかね
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「春風のような香りがしますね」とベテルギウスで貴女を抱いた
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揺るぎなく あなたが纏う 統一感 次の一手で 壊してみたい
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独特の 油が苦手 言ってたね 私もサバが 苦手でよかった
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明日には雨が降るのを知っていて  「忘れちゃった」とあなたのもとへ
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恋をしたあなたが横にいないから あの夏の日から切れぬミサンガ
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母にしてほしかったこと子にしてる少し羨ましい私がいる
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卵子二つ放出せし私の体褒めてやる双子の母になる
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ちいさな菜の花の黄色 あつあつお鍋をちらちらと
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できるだけ会社の椅子を低くして潜水をする 私はいません
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梅雨入りに備えて今日はとびきりの水玉模様のスカートを買う
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ふわふわと朝のベットは無重力 漂うように意識はふわり
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劇場の前に群がる考察を温いオレンジに混ぜて捨てる
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叶わない想いばかりが光るから夜空に伸ばす腕が足りない
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報われない無意味なことと見ていなよ 貫く目の先 君はもういない
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20本。それ以上でも以下でもないもっと切りたいのに無念。爪
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何気なくピンクのハートを送り合う 君とみんなと全てがここに
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人が消え病は残る……わけはなく、言葉も所詮人ありてこそ
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500000000回脳内再生3時間飲んだ横顔だけを頼りに
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見てここがマハラジャん家よこの街のカレー屋仕切る妖しいボスよ
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あなたではなくてあなたに愛されて美しかったわたしを惜しむ
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日常で乱れた回路なおすため温調された湯船に浸かる
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小魚の群れに片手を入れてみて逃げなかったらそれがわたしだよ
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瀬戸内の夕風揺らす君の髪 今も揺れてる写真の中で
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倉敷の水路のほとり散歩道 恥じらいつつもつなぐ手求め
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