Utakata
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リュケイオン
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2023/11から始めました。
色んな自分がいて、色んな自分のその時々の気持ちを詠んでいきたいと思います。
子供等の指差す声に輝けりモッコウバラの咲く通学路
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木曜日ターミナルへと夕暮れは流線型に溶けて流れる
9
シベリアへ
2
月の空に真っ白な花嫁達の隊列がゆく
10
淋しさの人混みにいて振り返る横断歩道のラインも見えず
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ちらほらと恥じらうごとく咲く花を空の余白に指で数える
16
一面に真綿敷くよな雪の朝そこだけ溶けてる桜木の下
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改札のそこだけ白く抜けた壁 伝言板が外された跡
16
梅一輪 雪積む枝にぽつり咲く春が遠のく手のひらの上
16
あの夏に植えた
茗荷
(
みょうが
)
はひっそりと今年も芽を出す記憶のように
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稲妻を一緒に聞いたあの夏の答え返さぬ冬の夜空は
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クロモジの
冬芽
(
ふゆめ
)
も緩む鏡割り古い友から賀状が届く
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子らも
去
(
い
)
に夫婦二人でニュース見る河津桜の一輪咲きぬ
13
娘
(
こ
)
の作る一年振りの雑煮腕 妻と同じに人参を切る
16
大晦日枯れたる庭に霜結ぶ さくりさくりと時きざみつつ
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返信はベルガモットの香りして しんしんしんと
夜
(
よ
)
がふけていく
7
種蒔きて芽の出ぬままに忘れおり土の下にて眠るたましひ
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収穫をされずに枯れる
葱坊主
(
ねぎぼうず
)
乾いた土に汚れて眠る
11
朝日さすビルの谷間のグラウンド
竹刀
(
しない
)
振るひと壁に礼する
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シクラメン赤白ピンク幸せを数えるように鉢選ぶ人
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窓の外 見下ろす背中遠ざかる 病床で聞くボブディラン
15
じゃあまたね 別れた後に思い出す君は古いアルバムの顔
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ロードショー待ち
人
(
びと
)
来ぬまま
観
(
み
)
終わりて見上げし月は小さく欠けたり
11
コーヒー前に もう
7
年も経ったよと 魔法を溶かしてついでに私も
7
地図指して「いい空気」って意味らしいブエノス・アイレス 君の笑顔
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