なみなみの砂に磁石を突っ込んでこぼれおちてく名づけられぬ葉
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我の名を凝らして書き写された字 慈雨 線香の煙に巻かれ
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町外れぽつねんと立つコンビニに入れば客は僕だけの夜
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見上げればただひたすらに青い空何かこらえているかのように
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銃である人差し指を側頭部あてられ共にながめる夕日
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「ばかだね」ときみに言われる「ばか」ならば許せた これは初恋じゃない
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日常をちょっときらめかせるために言葉を使いたくはないんだ
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イケオジのあの俳優が理想なの 僕はリアルで幸せにするのに
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恋敵 同性だけとは限らない やけに仲いいあいつはもしや
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授業だけかけてる眼鏡に見とれてる 席替えさえも嫌になるほど
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今世では役に立てないモブだから 来世で誰かのヒーローになろ
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心から好きと思ったその日から 最強メガネは特別な人
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帰り道 君を降ろした後輪に 45キロの何かを乗せたい
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「何月の夕方が好き?」なんて 真剣な顔で君が聞くから全部忘れた
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エアコンと自然の風を感じつつパソコン室で白シャツ眺む
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初夏はつなつの潮風スカート揺らすから 静止を知らない僕の心臓まんなか
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頑張っているだけどももっと頑張りたいだけども時には休まなきゃとも
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なみなみの感情に手を差し込んですくい上げては取り零すこども
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あなたと同じリンスを使った夜 今の私はきっと可視光
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まくり 走って帰る この背中を 濡らす汗?雨? もうすぐ梅雨入り?
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人だけに言語があるとは思わぬがあいにく人語しかわからない
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夕焼けの音を反射しヒグラシは死期を悟った夏の遺言
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「あえいおう」渡り廊下で演劇部出してる声は誰もに響く
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丁寧で見やすい板書の先生の授業は背筋を伸ばして受ける
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教室が嫌いじゃないと気づいたら風がそよいだ午後三時半
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悔しくて顔も見れずに傘の下 流れるな涙 こんなヤツのため
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‪言葉という箱の中に流し込む かたちを成して何かを失う‬
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切っ尖をつんと澄ましたミニバラの泡立てたホイップのあどけなさ
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洗面所ふたつ並んだ歯ブラシを投げ捨ててから四月としよう
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今日君を好きでも明日嫌いかも その日が来るまでたぶん好きです
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