台所の 床に転がりみる夢は ディストピアでも輝いてみえ
6
憂鬱のイメージカラーは鈍色で 紫ならばメランコリック
4
愛情とは 時間とともに 少しずつ 消耗していく ものであろうか
10
後ろめたい 事など無いと 言える人は そんなに多く いないのかもね
13
転がったイヤホンの軌道操って黒スニーカーのつま先へ行け
2
動かされ振り回されて考えたこんな事に明日は来ない
4
十時過ぎライン1件娘からスタンプひとつハッピーバースデー
19
手の届かないものばかり欲しくなる 手が届くのは偽物ばかり
8
嫌な日はビールで流し酒で酔い少し眠って朝酒で断つ
4
くだらない支配の家に頓挫して勝負するかい私は負けない
3
月初めハビットトラッカーチェック表は真っ新に月末サボりなんて無かった
4
早すぎも遅すぎも駄目 アセトアルデヒドただ酔う頃合いがイイ
4
ついたちか 野菜ジュースが半額で 過ぎしひと月 気づくスーパー
9
「おかあさん」やさしい響きのその呼び名 二人呼べるはしあわせなこと>母チョコカードを書きながら
8
どの街も君が歩けば麗らかに七彩香る。一月の暮れ
4
ここにいた!水槽見つめ笑い合う。サンショウウオが留める時間。
6
降る雪に雪かきをする誓約をしてから食べるレディーボーデン
12
黒煙が立ち上ったら軽くなる 欠片の骨を胸に、祈った
2
如月のはじまりは雪 流氷は行きつ戻りつ風のきまぐれ
17
うつ伏して自分の鼓動を聴いているその時だけは生を感じる
9
そういえば封筒入りの現ナマはあのアルバイトでしか見てない
5
全力で 走り抜けたと 思う夜 浮かぶは禁止… 甘いものたち
5
ビル街の隙間一筆の青空はこの鬱屈を切り裂くファスナー
4
自由観て ラクスのことばに 涙する 愛しているから必要なのだ。
3
東海の小島の磯の白砂に諳んじつつも母は呆けてる
9
言えぬままとどめた言葉は傷になり口内炎がじくりと疼く
12
髪の毛も睫毛も爪も死んでいるのに何故かわたしだけ生きてる
6
一か月 あっという間の みじかさと 長さ感じた 今年の初め
6
雨の日はいつもお眠おねむなわたしたち  くっつきあってほっとり微笑わら
6
きれいね、とガラスビーズを透かしては白い机を星空にする
12