レッスンで「頑張りすぎない」言われたり 練習でなく弾き方につき
5
七十の手習いピアノ先生の 手は少し腫れ主婦の面影
7
脳トレに勤しむ母の検診で 誉められているその受け答え
7
食洗の音だけがする台所 昨日の鍋の残りも黙る
7
鳥の来てついばむ餌の散らばりて セキレイ動く庭の片隅
5
お料理は出汁で決まると知りながら 昆布も鰹も使わぬ料理
4
の国のお偉き人は聞くだろか イムジン川飛ぶ鳥のさえずり
17
ふるさとの豆腐ちくわの穴の中 雪降る里が白く浮かびし
16
春近し春は香りからやって来て  ちょっと隠れて私を見てる
6
ツキのなさ連続技で襲う朝 ドアの向こうは鮮烈青空
4
「飲み行こう」「いいよ、いつ行く?」 それっきり返事が来ない 三年くらい
7
信号の右と左でよーいドン 気を付けて行け一年男子
12
「うまいわね」リハビリ励みほめられる ほのかなあかり先ゆくみちに
11
老眼鏡見えない世界があることを 教えてくれた二つのレンズ
4
何もかも高齢としのせいにし手を抜きぬ 食欲だけは衰え知らず
13
帰る時ぎゅっと握ってくる母の手の温かいこと今更に知る
13
未明の雨、なんとなく暖かく、始発は満席だか座れて、一首詠めグッドモーニングかな
3
初孫と母共に元気で何より、如月は逢いにいきますよ❣️ジジより
6
純血のホモサピエンスの遺伝子はサハラ以南にとどまりきとか
2
ムズムズと 鼻腔の奥で 感知する 暦より早く 杉のお便り
7
度毎たびごとの「街角ピアノ」にほだされて三度目開く「はじめてのピアノ」
14
ヒートテック買い足そうとする私 並ぶ春服
4
霧にヴェールにすべてが滲む こんな花の粧どうか隠して
2
お手本のように新雪口に入れ 1歳の子のヒエェ!て表情かお
19
四人で囲ったボードゲーム これからも ピザとコーラの味で 思い出すだろう
6
明日の昼、気になるあの子と初デート。寝付けないけどうまくいってくれ・・・!
9
物言わぬ巻き貝に問うきみだって好きな場所とかあったんだろう
6
この街をゴジラになって壊したいそう思う日と思わない日と
7
寝間着から寝間着に着替える十六時空の代わりに灯りを点ける
6
「何事も続かない」ただそれだけが二十五年も続いてしまい終い
7