ひさしぶり けんかをしたの おおきめの もうだめなのかな まだいけるかな
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うばたまの夢が波打つ岸辺にて流木ひとつ持ちて帰らん
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蚊柱が幾重にも立つ。 金色の 萩に群れなす羽虫の中に
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谷を覆う 霞より出でる しらさぎの 音無く飛ぶ先、 秋への扉
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かの男 国葬もって送られど 勲功いさおは何か 問う秋彼岸
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一度でもやると言ったら止められず引き返せない国ぞ憂き国葬儀かな
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萩の花咲き始めたる御社を 訪ねてから行く日曜礼拝
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夜の道うしろから来る足音を怖がらなくていい性別ほうが良かった
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奔流に 砕かれし恋 水のよう もとに戻らず 秋惜しみ発つ
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夜風吹く長月の夜 歩けれど 涼しさゆえに 体調惑う
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エアコンの 動く音から 虫の音に 変わりゆく日々 過去になる夏
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歩道橋 路面電車と カステイラ マリア観音 僧チャンポン
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黒部ダム そびえる山の 水溜めて 力の限り 自然と生きる
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黒い水面みなも 手を振る人と 映る光 消えることなく 明日を迎える
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数学 求める過程は永遠に答え開けば一瞬のうちに
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予感ばかりだった真夏は過ぎ去って空気の抜けた浮き輪がひとつ・
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蜻蛉トンボ 戻らぬ日々を 進みゆく 水は流れて 岩を丸める
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いいですねえあなたのようにいつだって世間は味方と思える人は
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ここだけは夏を終わらせまいとする残暑蔓延る立体駐車場
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眠いけどもう少しだけ起きてたい 君との会話まだ続けたい
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熱あるね休んじゃおうか 前髪を乱した手すら全てまぼろし
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溶けきらず残ったピアスにへばりつくとろけた皮膚と鯨の夢
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かきのたねピーナツ部隊の彼が言うこれだけ食べて生きていきたい
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秋陽に干され始めた柿の実よ父の孤独が今ならわかる
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歯車の上手く合わない一日も 雨には当たらず ラッキーデイかも
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言葉には出来ない痛み溜め込んで私は高く遠吠えをする
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こころ泣かないでおくれよ俯いたまま秋空を行く薄墨の雲
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スーパーで弁当買ってもらった日フレンチコースより有頂天
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横見れば君の瞳に咲く花火最後の夜に最後の願い
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やがてみな遠くなりたり老いたれて植物図鑑に記録されたり
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