なぁ君よ君はどうして生きぬのか ビルの屋上僕に問う月
5
幸せにするのはわたしじゃなくていい ごはんを食べて、あなたでいてね
9
すこしずつ諦めていくものですね 乾いた皮膚ほど薄い安堵と
8
あの月の流れる光あらわす「語」 残念ながら私は知らない
9
ひねくれはこんな夜にも月を見ずただ字を数えて頭抱える
11
復讐の味も知ったる髑髏杯 月にそそぐも 今はさびしき
6
月みれば心さいなむ夜な夜なに 王の悩みはいとどまされる
5
輪舞せる月下の宴を蹴散らすは あれが蹄よ 狂喜のぬしよ
6
月の夜の孤独な僧のまぼろしは 聖母まりやのみちびきと見ゆ
7
尾根道で おれと月とが会ったとき やつめ 怒って追ってきおった
8
昔助けていただいた鶴ですと孤独な夜に訪ねてきた人
4
なんとなく短歌浮かばぬ夜はそっとぬいの頭をなでておしまい
18
「元気かね?」五〇離れた祖母の声逢いたい人がキミとそれから・・・
16
月の人だからあなたは空なんか見ないでほしいと言えない深夜
4
右頬にホクロが三つ デネブ・ベガ・アルタイルって名前をあげる
9
有り難や 日本語の書を押し詰める一時帰国の三蔵法師
12
うなだれる私に付いてくる私 日陰へ逃げる夕暮れの道
9
大夜空おおよぞら ぽっかり空いた 白い穴 輝く先で覗くの誰だ
8
川原にて 一献傾け 黄昏れる 恥ずかしがり屋な 月との逢瀬
9
さえわたる菩薩の光明あまねきて幾千億を一夜に照らす
9
ヘカテーの神の鏡は乙女子の恋する人をかくあらわさん
4
コンクリの下 そういえばもう見ることのない彼岸花があるはず
14
オレンジに輝く月に息を呑む幻想的で畏怖するほどに
9
酔いどれて ふわふわとして んだ歌 素面シラフんで 冷や汗をかく
10
うるせばか 全部俺が正しいから 足並み合わせてトロトロ歩け
4
中秋の名月見上げ君想う たとえ隣に誰が居ようと
9
はやく妖怪になりたい 人間なんかなりたくなかったのに
4
見上げれば輝きを増す満月の眩しさについ畏怖を覚える
6
チャレンジは悔しい事に付く尻尾これまでよりもパンは釜伸び
14
「若者の○○離れ」高齢者達あんたらはあれこれできたようでなにより
4