じわじわと 時を経てから効いてくる 父を亡くして 四ヶ月の今
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こんなにも美しい日はもうないと淡い花束を置き去りにする
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執拗なまでに何度も時刻表を眺めては暗い目をしていたね
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あの日ただあなたの動作を見たかった踏み込もうとは思わなかった
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魔法とは、を超え奈落の果てに立った
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過眠症、10時-6時のマイルール  切り裂くなよフルタイム勤務
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うっかりと地雷を踏んで焦る夫の顔可笑しくて不発にしとく
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一人暮らしの灯りは一等星 私、古い約束に魅入られて踊っています
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夕立をその身に受くる少年の母は空見て案じるらむ
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アンコール しまったばかり 冬服が まだいけますよ と大活躍
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気になるとそのことばかり考える 性格なのか歳ゆえなのか
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肉に箸付けられないよ闇鍋に呼ばれないのに佐川君来て
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薫風の先ぶれ浴びて歩きゆくフレンチブルの背 垣間見つめる
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婆ちゃんが「今風呂入る」ちょっと待てせめてお肉を焼いてからにしよ
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パソコンも使えないのにフライング備えあればの安心もある
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しゃべらない息子が居ればうっとうしい 居なきゃ淋しく部屋覗いたり
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ドラえもん「ページターナー」チャッチャラーン使い方だけ付いて来ません
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草取りに精を出しててふと思う 誰かが俺を抜きに来ている
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空港に独特の匂いあるという 日本空港 醤油とカツオ
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春キャベツだらけの焼きそば したと聞き 母の焼きそば食べたいと連打
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占いの 運気最高 気分良く 期待したけど 運気下降さ
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ため息で 始まる朝は日差しさえ 疎ましく感じる 土曜日の朝
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深川で故郷の法事思い出す仕出し弁当のような匂い
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空っぽの花瓶だけある早いとこ 春を見つけて挿しにいかねば
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私はね 豚を殺したことはない だけどスーパーで 豚肉を買う
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花びらの先まで水を送るのは 根っこが背負う 地獄の仕事
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人間は人間ばかりに捕らわれる 人間以外を喰ってるくせに
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やっぱりさ電話の声は特別だ 昭和生まれのふたりの意見
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人と会い 人を愛して 和む今日 人と別れて 人を探して
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風掴む 空と手繋ぎ ハグレモノ 雲鷲掴み 自ら不自由を
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