何人もなんびと 語り尽くせぬ 夢在りし 遥か昔の 古代人さえも
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入選を願いて言葉を錬るよりも 吾は思いに任せて詠う
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強がりに その身を焦がす 君を見て 居ても居られぬ 胸の歯痒さ
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吐露できぬ 君への恋路 奥底に 露も知らずに 覗く胸元
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幾重にも連なる紅き鳥居ってさ 言ってしまえば神への赤スパ
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逝ったとて 表裏一体 あなたなら 教えてくれる 桜咲く場所
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短歌うたにしてそれで心が満ちるなら 恥じることなく私はうた
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搔きあつめかき集めてもなほ余る焦燥感で火傷しそうで
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ぽつかりと空いた欠片ピースが気になつて何か足りない不惑のパズル
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夕刻に 茜が宿る 君の頬 伝う雫に 是非さえ言えず
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深酒を明けて一人でシャワー浴び 貴方の指を想いて慰む
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吸う僕に ちーたーやめろと 笑う君 特に効くのは 君の言の葉
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「おはよう」は 新たな朝の 始まり 昨日のことは 忘れいざ進め
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寝れぬ夜 もたらすものの正体は 悩みではなくたぶん胃もたれ
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戸の外で 少女の被る 南瓜みなみうり お菓子を求む 声を耳にし
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おはようと おやすみの間 君がいて 抱きしめていて くれたら本望
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がむしゃらのその先きっと大好きなビールが待っているさあ勝つぞ
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君の細胞が全て入れ替わっても 大切さはこの先も変わらない
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風の中 桜のつぼみ 耐え忍ぶ 光ほしいと 春の嵐に
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丘は萌え ツツジの瀧に 霞む空 芝桜咲き 薄紅の川
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誰の星にもなれない私だからせめてあなたが迷わぬように
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風薫る見ればピンクの薔薇一輪 はなびら幾重に幸せつつみ
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いつかまた生まれ変わって会いたいよその時もまた笑ってほしい
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誰ともひとつになれない生命なのに悲しくも求めてしまう
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悲しき星の終わりにてあなたもいつか空白になる夜がくる
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やや打ち過ぎの印象深い碁は孫の強さを知った明日は勝ちたい
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出発は戦争もなく核もなくヒロシマじゃない広島になれ
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他人ひとの歌 わかわかると 同感す 無常のこの世 無慈悲な社会
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ぶち気合入って粘り強かった長いトンネルからやっと春
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弱くても痛みがわかるあなたがいい傍にいたいと願ってしまう
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