粛々と国葬準備進むイギリス基準がなくてバラバラの日本
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亡き父に香り届けと母生ける 百合咲き誇る 暗き仏間に
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わが心和歌や短歌に重ねるも傷は深手になるばかりの夜
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親子とか兄弟とかである前に誰もが半分以上は水だ
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買ったまま読めないままで積んであるカヴァーガールのファッションも過去
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私たぶん 世界に嫌われてると思う わりばし絶対変に割れるし
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モンブラン かぼちゃのプリン さつまいも チヨコレイトが美味しい季節
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美味しいね わたしの秋は毎年ね 花より団子 いっぱい食べよ
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あなたとね はじめて会った春の日は 夏かと思うほど暑い日で
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食べて飲み込んで一分遅れた時計の針を見てさぁて始めよう昼休み
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遠い夏 波にこわれたさくら貝 届かなかったうすべにの恋
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聞き慣れぬ虫の声に寄せられて網戸開けたら犬も顔出す
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みなそこで好きと言いたいさけびたいすべてがあわになる水底で
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首をいたわるためだけにパソコンの下に三冊積む積み本よ
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ガクチカをたまに見かける宇宙食パウチみたいに拾い上げてる
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友を見て知らぬは恥と言い切れぬ額田王〔がくたおう〕とはどんな王かと
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ものみなに終わりがあるよ 人類の終わりはたぶん 子育て不能
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レジ横の衝動買いを後悔す 七十円引き七十円かと
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工場の資材置き場に虫の声 迷いこんだか秋の訪れ
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右の靴同じとこだけ穴があく ガムテープ貼りアクセルを踏む
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赤線と付箋の入った教本が今年も会えぬ祖父より届く
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懐かしい先生の名を耳にする 上が通いし園に挨拶
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キャンパスを明るく照らしし猫たちは今も美空に皆を見守る 
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君にとってのお金でいたい 無くては生きられないもの 大切なもの
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邪魔者でうざいうるさいおせっかい、検索結果もしかして『彼氏』
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午前二時 光轟く 土砂降りが 咳に苦しむ 慰めとなり
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秋雨が 強く降るなり 帰り道 先の梅雨より 激しく感ず
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依存依存言われ続けて曇天を見上ぐ眼裏まなうら一面のあか
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眠らない夜をいくつも過ごしてるおやすみおやすみ小さな私
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人の住む場所には白く葛の芽のように萌え出る権力があり
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