ツアーT着てYouTube見るけれどかの地におらぬ日常の闇
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文字ひとつ大小だけで違う道検索バーの中の宇宙よ
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「ぬくもりがほしかっただけなんだよね」呟く背中 冷え性の僕
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あの歌が意味の分からないおまじないになってしまった 街は4月、暮れ
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わたくしを操りたくてしかたのない人が「操られるな」と言った
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人数が多ければいいって訳じゃない←言いたかっただけですあああ
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何だかね とっても寂しい 夜がある 涙が自然に こぼれてくるんだ
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畦道を駆ける少女の曼珠沙華 まつり囃子の遠い笛の音
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テレビでは初冠雪と山映し一斉に盛る日向のとんぼ
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秋寒波 思わず作る寄せ鍋で 季節の変わり とくと感ずる
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秋と謎 共に深まる午後の5時 事件も外も闇につつまれ
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僕ですら呆れるほどのつたなさをかわいいと言うランドセルの君
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書き溜めたレシピの一番下にある ねずみのカステラ やまなしの酒
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寝てる間に どこで何しているのやら 生死の別も自分は知らん
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降られつつ吹かれた傘は踊りつつ 傘もつ人は踊らされつつ
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窓越しに 揺れ動く身を背に預け人垣避ける 小春日の影 
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継がすなら仕事の出来る娘婿 社長も秘書も倅嫌われ
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胸熱くさらば昴よ我は行く旅立ちの唄 我も仕事へ
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防寒も兼ねたマスクになりにけり 今朝は一気に十三度とは
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「触るな」を核とし析出されてゆく結晶として「私」はあった
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樹海しんりんの入り口にある死者たちの恋人を知る公衆電話
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Yシャツのポッケに眼鏡をぶら下げた君が読んでる岩波文庫
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ファンならば絶対欲しい一冊!と思えど買えない ・・・ファンじゃないから
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神様は御国にその子を招きしか 幼き命失われたる
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業績にしない搾取もしない ただまずは聞くただ応じて動く
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あなたには優しい笑顔だけ向けたいだから涙は見ないふりして
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TVの歌番組がナツメロ化 クラシックってのもナツメロばかり
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定期券 ICいかれて無反応 人の改札 通る秋の瀬
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解きかけの宿題のつづき書くために 時を駆けまた産まれてきたんだ
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くだらないお菓子についたオモチャでも 誰かの手足が作り、運んだ。
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