汗ばんだ首筋拭いて深呼吸 青の紫陽花我と目が合う
10
着替えしてやること次々浮かびおり それでも私はまず歌を詠む
8
暗闇の向こうで何が起きてるか 見えない恐怖目をこらしても
4
がらがらと山は崩れを止めぬなり 何もできずにただ音を聴く (川向こうの山)
3
山崩る音で目覚める午前四時 枕元置く母と吾の靴
12
国道と山の崩れしあの朝と 同じ時間に雨見に外へ
4
避けられぬものであるなら死の日まで 生きて生きてく自分らしさで
5
警報の知らせ届きしベッドにも 耳を澄ませて山の音聞く
5
片づかぬ高くそびうる物の山ルンバが使える部屋に住みたい
10
カラヤンの美しすぎるブルックナー感極まって涙が伝う
6
嘘ですよそこまで食うに困らずにガンプラ弄る余裕もありて
4
冷や飯に昨夜残りし粕汁を暖め塗す懐寒し
5
飯粒を匙で集める炊飯器今日も食卓体なさずや
2
コンバンワ今夜のお題これにする食うや食わず厳しき生活
3
「すみません私がやりました」清々し朝カツの丼は空/食い逃げ連作①
2
鉄格子悔いたる我が身痛恨にタダで食いたる臭きメシかな/食い逃げ連作②
2
ヒロスエが笑うナツイチポスターを欲しく本屋を巡った夏よ/実話
6
締め切りを数多破った末にあるやる気よ 始めから湧いてこい
14
鰻屋で匂い嗅ぎつつタレだけで喰う黒き飯粒憐れなり
3
お店では恥ずかしくてひとりカーステで怒鳴る筋肉少女帯 
2
「わたしは産まれるべきではなかった」を論破してくれいいから早く
6
友人を皆んな切られて離婚して誰でも良いよブログ開設
7
会えませんもうこれ以上あなたとは そう言いたくて困っています
4
いじわるなあなたのことを どうしてもきらいになってしまう休日
5
期待値が外れた時はお返しを ノーコメントに語らせている
6
満ちるほど なぐさめられぬ おのが身を 持て余しては 月を眺むる
7
それはそう ひとはなかなか 変わらない 自分が変わる? 自分もひと
9
本当の気持ちを隠したままだから自分で自分が嫌になるのだ
12
ぐるぐると伸びゆく蔓のその上に朝を知らせる蕾が宿る
12
車中にて本格オタクの会話聞く これも青春アオハル 好感を持つ
11