君が撮る都忘れや紫陽花はなぜこんなにも鮮やかに咲く
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雨上がり秩父連山青々と照らす夕雲夏がはじまる
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焚き火飛び越して握る手や熱し 月影はさやか 潮騒を枕に
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あれ以来勇気を出してかけたけどブロックされ行き場ない非通知
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肉球を むぎゅむぎゅ握る 飼い主の ワガママきいて くれてありがと
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来日す外国人の番組で日本の良さを逆輸入する
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「けくけくけく」たまに 何だかわからぬが 生き物の鳴く それなり田舎
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贈られたスイカを迷わず二つ割り 黄色に黒の点々のあり
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バッテリー上がりし愛車よみがえり 早速明日の約束している
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散文的な恋の歌 公開の プレイリストに 知らない名前
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ソーメンがマジックのように消えていく 食欲旺盛一歳男子
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治らない病を連れてゆく旅の終わりは緩やかな坂の果て
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前様はんさあ風ば吹かせて白雲を散り散りにして会いに行くから
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恋はまだよく分からない愛ならば分かる気がする二十歳の夕べ
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「善良なことが取り柄」ときましたかそれはわが社に有益ですか?
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始まりの鐘鳴り響く大空の下泣く菊池笑ったあなた
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幸せになってほしいと願うなら送り出せよと人は言えども
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腰掛ける僅かな段差われを見て帰宅のキミの面差し優し
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東京の外れに住みたい花とかさ太陽とかを捨てたくないんだ
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イヤホンをしながら歌い通りゆく世をはかなみし若人ありき
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雨の朝どちらを聴くか迷いますハイドンそれともショスタコーヴィチ
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都知事選選挙公報一瞥しヤバくないすかマジでいろいろ
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文月もまだまだ梅雨の半ばだと窓から見える紫陽花が云う
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この雨はいったいいつまで降るのやら出かけたいので止んでほしいな
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どうしたの熱でもあるの風邪引いた?無邪気に笑う君の尊き
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なみだにはいのちをかけたこいごころとじこめられてきらめきひかる
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過去形で好きだったなんて嘘だよね今もあなたを想っているのに
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だいきらいなんて言いたくなかったし離れたくなんてなかったし
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君の横顔を尻目に降り続く雨などもはや向日葵と汗
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なんと今日、二度寝しなかったの私 興味なさげな君を無視して
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