千年後 化石のきみも変わらない 彼らはきっとたんぽぽと呼ぶ
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母からのLINEはいつも小春日で「今日はトンカツ」「火傷したなう」
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教室で夢みる人をあたたかく無視し続ける社会の教師
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哀しみと 集中力は 裏表うらおもて 心の中は いい加減求め
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公休に 葬儀に行こうが 行楽しようが 詮索するな
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休出も代われないなら 辞めちまえと 葬儀の朝 
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通夜の中 職場に連絡 二日も休むのかといわれ 明日は休出
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眠たくて目を閉じると涙 君の思い出ばかり映るよ
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君といて 大口開けて 笑うのは  恋する風が 吹いてないから
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「どんぐりにも家族がいる」と子を諭し 手ぶらで帰る家までの道
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舶来のチョコレートでしか癒せない 疲れがあるのお母さんだから
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幾たびもリドゥアンドゥ重なって惑星ほしの公転軌道はいびつ
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猫じゃらし見つけて抜いて手に持って 子は楽しげに冒険に行く
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幸せがみっちりつまっているのかも 寝てる子どもの丸いほっぺた
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何もかも夢と言えるほど私には夢見る力はなさそうなので
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メモ帳とペンを出したら 不審者を見る目に変わる役所の窓口
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来世こそ 朝日と共にすっきりと 迎える日々の 中に生きたい
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毎夜思う 寝て起きたら来る朝が来る 明日なんてそう 毎日いらない
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誰もいない リビングにただ いるだけの 今のわたしを わたしと認める
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若くして逝きし彼女の笑顔あり 今朝は母校の文化祭の日
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生きている価値など一つもないくせに今日とて蠢く私のこころ
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寄越される愛とも呼べぬその「愛」を惨めな俺はただ受け入れる
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大学をフケてプリンを食す昼罪悪感は苦味か甘味か
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一刻も早くひとこと「会いたい」と言ってくれさえすれば私は
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ゆっくりと流れる時間が見えそうなほど退屈な物理の授業
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大会で公欠してる窓際の彼の机を日差しが照らす
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何年か前に流行ったラブソング聞き彼は今元気かなって
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夢の中 死んだ親父が出てきやがって 受け止められぬほどの喜び
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助手席の口数少ない父親のノラ・ジョーンズに揺れる右足
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頬のあざ 親父がタバコを押っ付けた 死後四十年 ようやく言える(バカヤロウ!)
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