いつもより早い時間の特急の 窓から見るは 陽 照らす街
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心臓の奥に隠した仄暗い想いを誤魔化し君と笑う
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またひとつ「まさか」の坂を くだりゆく 其処そこに行くこと それもまた良し
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しがらみが 遠く感じる  日も近し 心のコリが ほぐされてゆく
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前屈のノリだったんだ、そのおじぎ 褒められるなら…まあいいの、かな
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平凡で頭のネジがぶっ飛んだ女装が似合う主人公受け
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「初めからなかったことにしたいけど、そうもいかないから生きていく」
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泣きくれて疲れて作るラッシーに砂糖をすこし多めに入れる
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コンビニのレジのすぐ前 おさな子はのど飴の箱積んで楽しげ
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さわさあと 風に舞う 竹林の 天へとのぼる 龍の舞かな
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パンクしたタイヤ交換 やり遂げた達成感はどこから来るの?
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そういえば素顔を知らぬ知人増え マスクなしだと分からないかも
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男なら立って勝負と我が恩師起立促す男子校消え
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内緒だよ指切りひとつ交わす夜ふたりで背負う消えない傷を
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封切らぬ手紙一箱、引っ越しのたびに運んで今年も暮れぬ
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秋半ば 東京に降る冷えた雨 晩飯カレーで 身を温めん
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手紙とは 読まなくていいという意思表明 用があるなら電話しろよ
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道の駅 トイレの箱においくらか? その行動で人品が知れる
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コンビニに やさしさ気づく孤独人 募金箱に札束入れる
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怪しいな そういうメールは読まないよ 削除もしないがけして読まない
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60は意外に鼻血のお年頃 高速運転中にじゃあじゃあ
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言いたくて言えないこともたくさんあってあの人に送る一通目の空メール
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ジャガイモを剥くにはいい包丁なんだが カツオのたたきは切りにくい
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右肩でススキの綿毛が揺れていて頬の産毛と光に溶ける
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あてどなくさまよい歩く僕たちに止まり木のごとく優しいコンビニ
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もしも世界最後の夜が来るならばブレーカー消すように暗転
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明日には死んでいいかもと思いつつ 水道代を支払っている
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一言に収められるという翳り 過去の自分がこちらを見てる
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「あの日々」に囚われ生きた人が行く楽園 雲が移動の手段
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この頃は死が寄ってくるやな感じ誰かが死んで私は生きる
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