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潮騒は陸地の意味を問い続けぬるい
汀
(
みぎわ
)
はまだ薫らない
8
首のしわ出来てしまってもう遅い タオル枕に変えたところで
20
ぬるくした長風呂頼りの数日がまたやってきた私のからだに
5
「おかえり」と 迎えてくれているようだ 初めての地で 感じるふるさと
11
なんとなく持って行き場のないものを 託してみようさらの便せん
12
太陽は味方だったな年少時今は出てけと追い立てられてる
6
慰めはいらないですという君に俺はほんとに何も言わない
4
球体は調べによると「大丈夫です」しか言えぬ小さな機械
4
殺虫剤のトリガーと似たようなものなのだろうこのひきがねは
4
持ち歩く日陰なのだと夫に説き 今や堂々日傘男子
23
備蓄米入荷とライン 価格知りいくつもの「古」がつくものらしい
20
吉野家でなんだかんだで牛丼を食べる自分にいいねをあげたい
9
夕暮れの 空があかねに 染まる頃 当直の吾子
他人
(
ひと
)
を救ひて
25
苦しくて声の代わりにクラシック一音一音ぽろぽろ吐き出す
7
『国宝』のカメラワークの美しき 喜久雄の紅の引くは艶けき
11
ウインナー 軽く焦げ目をつけまして しめじにキャベツに焼肉のタレ(美味いよ)
17
剪定をされ残り香を放つ木よ 痛かったろう 声無き涙
20
退勤の空は一面ラテの泡 西の隙間に光るハチミツ
31
星ひとつ君の睫毛に留まりおり 瞬きにより流れて落ちて
10
かなしみを下敷きにしてしあわせの天からそそぐのを待っている
16
水族
(
すいぞく
)
の
館
(
やかた
)
私は向いてない
床這
(
ゆかは
)
うゴキに 気づくは
独
(
ひと
)
り
5
白濁の吐息を横目に 透明な言の葉、だんだん喉の
凍
(
い
)
たみへ
6
砂つまみ 砂に放って 音がして 餌じゃないのに 鳩は集まる
3
激病み担当大臣 就任す おい 国 俺に給料を出せ
2
くるっぽと話しかけても飛んで去る 話も聞いてくれぬ鳩ども
5
罅割
(
ひびわ
)
れて 失われてく 思い出と 反比例して 増すは死にたさ
3
夏の夜 どう足掻いても 繋がらぬ 僕とあなたと あとオリオン座
6
ロマンスの神様願いを叶えて 指紋まみれの携帯電話
8
コーヒーを冷ますふりして深呼吸 湯気と香りで涙を誤魔化せ
7
夕立がざっと冷やしたアスファルト 梅雨明け前の最後のクール
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