待ち合わせいつも池袋ぶくろファーストキッチンキッチン前 午前10時に恋が始まる
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チビ猫は おうちゃくという技おぼえ ひとくちオヤツを持ってきてほしい>おいで
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新聞紙輪にしたハンドル運転し 幼な子横断歩道をわたる
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目の前で悪口を言う人がいて芯の強さに憧れている
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世の中に ついてわたしは 無知だけど 雪になるまえの 雨はうつくしい
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あたたかい美味しい肉まん 同義語は上顎特効小型爆弾
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神様ちょっとこっち来い秋をきちんとしつけなさい
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若い子の行動力に胸打たれしがみついてる己を恥じる
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ふと気づく、四方を山に囲まれて暮らしてたんだ箱庭の民
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はずれても自分一人ではめられる肩の関節ただの現実
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詐欺だなと気づいた理由わけは簡単だほんとに息子の声だったから
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霜月の終わり入り陽をかすめゆく鳥のかげさえ死語となりぬる
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本の文字だけはあたしを裏切らない 孤独かどうかは紙のみぞ知る
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返信を待つ時間飛ばすために寝る リロードのない恋愛ゲーム
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あの夏でわたしの熱量とけちゃって もぬけの殻でまぬけなままだ
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賞味期限間近のチーズを食べきって 霜月が去る 師走は駆け足
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好きなのか嫌いなのかと聞かれたら嫌いじゃないってだけの君、好き
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下駄箱で夜中に靴らお喋りす「明日あす休みたい」「僕も」「私も」
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デート場所は憧れだった水族館 魚と魚だったふたりは
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変わらない 日々繰り返す 私は 味の変わらぬ イカ墨パスタ
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飲み会とかそういうものが終わると急に世界の悪意に繊細になる
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ビル街のタワークレーンが狭い空を衝きやぶり向かい合っている
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霜月の三十日に産まれた息子暦を破る事にためらう
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じっとして過ごせば気持ち沈みがち 動いて歩いて風に吹かれて
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去年より忘れることを得意とす かれいに生きて結露をふいて
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覆水は二度と盆には返らない 君はとっくに人生だった
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取り入れのおおかた済みしオホーツクの広がる沃野に丹頂の立つ
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死んじゃった夢から覚めてほっとして鏡を見たら目を閉じた顔
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ステップを踏みたくなって今日もまた文字の海中わたなか躍るスカート
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一日にりんご1個で医者いらず 一食分だとお腹いっぱい(笑)
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