六点の 勲章下げて 繁殖に ダービー取れずは 惜しまれたるや
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師の走り 其に相応しき 大寒波 酷暑の日々が もはや遠き日
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こうえんに葉っぱならべてあそぶこのあとを見守るいちょうの高木
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ふくよかに朝霧を吐き出してゆくルビンの壺のような河口に
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チャリティーをお金儲けと間違えて チャリンチャリンと聞きし人かな
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引きこもる なのに心は 汚れてく 雪が吸いこむ さんざめく夢
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「なるほど」と言ってみてから考える いったい何に納得したのか
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コンビニ、歩道、交番も 輝いてしまう 夜ってすべてあかるい
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月みたいな心と青い体だけここにいる 朝は来ない冬
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わからない 言葉にイラり 湧く黒い 嫉妬にも似た 敵意の言葉
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ふくらはぎの筋肉そんなにキライじゃない ダンスをしてた名残懐かし
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いちじはん ふとんはいでる バァバァは おこればかなしい めをしてにらむ
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ホルモンに詳しい彼の友人の多さが嫌いそっと箸を置く
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まよなかに ひるまのくにを おもってる ひきがねひくな ぼたんをおすな
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今更に昔のアンプを入れて鳴らしゃジジガガじじいだものな
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見栄はって使わなかったお砂糖の分だけ誰かに甘やかされたい
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冬のに 浮かぶ姿が 目を奪う 孤独に光る 寂しげな月
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お風呂場に 忍び寄る猫 ふたの上 床暖房の ここは極楽
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三十一文字ならなんでもいいじゃんなんならさ三十一文字でもさよくなくない――?
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花腐その後舌そ潤はむ――戯歌のをかしみいとも誇張され―― 詩歌寂滅までの夜長ければ
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ねこたちがお風呂もトイレも出待ちする それはささやかな幸福しあわせなるや
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昨日ここ娘が座って食べてたね婆も嫁いだ吾におなじく
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風呂の蓋またも忘れて叱られてボケに近づく、明日から師走
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創刊号 応援のため 買ったけど 三千円はちと怯むね
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1ヶ月 最初の壁は 乗り越えた 順応してからが本番よ
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明日こそ冬パジャマのゴム替えませう お腹が冷えてはなんにもならぬ
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ここに今 わたしがいると知っている わたしのために篝火かがりびを焚く
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「さよなら」と言われる前に「さよなら」と 負けず嫌いが恋の敗因  
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もしかして 恋でもしてる? ここ最近 メイクアップなんかして紅葉 
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そのメガネ似合っているね 関係が始まる音が聴こえてきたよ
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