小鳥ゐて 物哀しげに目が合ひて 私は小鳥になってしまった
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原坊に似ているなどと言われてたあいつは今頃何してるやら
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今日の日にさよなら告げる秋の暮れ 馴染の店のネオン灯らず
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恋人の死ほど美味しいものはなし 「会いたい」「歯痛い」どっちだっけ?
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一週間 クレカプリカで間に合って 金使ってないような気になる
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大人にはなれなくたってノープロブレ 嫌でもみんな年寄りになる
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新世界二度付OK新開店 オーナーは何と北のあの人?
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新世界 二度付禁止が恐ろしく どこの店にも入れず帰る
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(本当の自分が心の奥にいる) 奥過ぎてついトイレで流す
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秋の声聞こえぬ部屋で寂しげに文字を連ねる動物細胞
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わが齢早くも末の松山とかしらを越えて退かぬ白波
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山茶花の白きもあれど赤きのみおのがありかを告ぐる薄雪
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飛沫しぶく岬の果の潮風に椿落ちつつ昼静かなり
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徘徊と言われないようおじいちゃん散歩のときは犬を連れてね
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趣味持てと定年亭主を追い出して留守にたっぷり趣味を楽しむ
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フィクションよと妻は笑うが何度目だ!夫を悼む短歌入選
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死ぬ前に一遍絶対やりたいねん新世界でのソース二度漬け
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ビリなのにカメラに向けてVサイン出すわが息子先が心配
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探してる答えはそこにないけれど スマホから目を離せずにいる
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どんぐりの青さを転がす手のひらで大人になる方法がわからん
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「人間が集まって笑っていると正直怖いこともあります」
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大空に見える秘密を隠してるみたいに青を塗りつぶした雲
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人生に疲れ始めた年頃にキャバ嬢の優しさが染みる
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「泊まるなら」色白なきみに貸したのは サンローランのTシャツの黒
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やめられぬタバコで死ぬも定めなり 周りがみんなどっと喜ぶ
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ミソサザイ 一年中生きている 人に見られる筋合いはない
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日に増して冬毛で白む猫丸く 「白秋」の意に君も足そうか
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秋の空 速さ補う風の押し駆けて駆け抜け 狙うは一位
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秋晴れの 木陰に憩うミソサザイあと一月も 見るは叶わず
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女はね 男のために装わない センスがわかる美女友のため
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