葉を揺らし 夏の真似事 青紅葉 つられて蝶も 風を耕す
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今日だけは 無理やり寝たい 明日のため いつも時差の 生活恥じる
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本宮を終へてしづかにさとびとがにかへるころ冬がはじまる
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Twitter 私が寝るまでさえずって ブルーライトの子守唄をくれ
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何が一生物だヴィトンの裏地溶け日本の気候には合わないのか
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薄羽をとほる陽射しに刻まれるひかりの振れをめじるしにして
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初詣「良縁」のくじ引いたんだ キミと離れるなんて思わず
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十八歳世界革命夢見てた熱狂自体は罪ではなかった
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私の恋はいつまでも白線の向こう他人事みたいに眺め
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殴られて蹴られ踏まれて地を這ってそれでも僕は君が好きだよ
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明日にはと繰り返しつついる内にすでに葉ざくら惜しむ間もなし
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火にかけた鍋を忘れて數時間靜かな鍋と青ざめるわれ
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パスタ茹で油にんにく唐辛子野菜にハーブコンソメと肉
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瓦斯ガスだいのやかんラヂオに言ひ返しニュースキャスターぐつと詰まりぬ
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「帰るの?」と 何度も僕の後ろ髪を 引っ張る君を 抱いて寝る夜
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五月の日縞たぬき出で戯れり瀬を白くして流る多摩川
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子供らのバーベキューで気を使う早き流れの多摩川の岸
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改めて連ねたわが歌見返せば 何にに酔うたか恥ずべき歌なり
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雨風をしのぐ住處すみかにたべものと水ガス電氣ふとんまである
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きびしさを言ひわけにして理不盡をへよ堪へよと甘ゆるあなた
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悲しみを 語る友の笑 優しくて 五月の空に 咲くハナミズキ
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明日から毎日やらうさう決めた昨日のわれは今日はおやすみ
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生わらび 初めましてで 買ってみた 重曹ないな 買いに行かなきゃ
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ちょっとした 旅行気分で 道の駅 財布の紐も 頬も緩んで
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新しい謎を求めに行くように館へ向かう隘路二人で
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「あとひとり」殺せと叫ぶ満員の聖地に満ち満ちていくよ殺意
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ご自愛とはなんですか私習わなかったのです愛など自我など
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グランデと言うのが少し照れくさく いちばんデカいソイラテひとつ
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どこ行っとったったんですかと聞いて通じないことをまたも確認する
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全てがどうでもよくなり枕に蝿が落ちてくるあたりからの人生は長い
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