橋姫の霜を片敷く狭筵さむしろいたくな吹きそ宇治の川風
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秋霜に 青葉凍(あおばい)てつく松の樹よ その生き様を 人にも問うて  
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越えられぬ過去と未来に挟まれて、逃げられぬ今だ燃やせ心を
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輝きが夜空を満たし朝になり、君が目覚める。それが世界だ
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スーツ着て 腕に抱える 幼き子  パパと一緒に 歯ブラシ選ぶ
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影一つここより放ちやりたきに狂ひ足りねば立ちつくすのみ
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魂が心を剥がれてゆく度にでんぷんのりに塗れる手先
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付いて来るコラボの紙のエプロンが目当てで夜ご飯はバーガー
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空色のネイルを塗った手で拭う涙が虹を架けますように
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部活へと向かう足取り重いけど軽すぎるよりいいと信じる
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教科書を震えた声で読む君に優しい世界でありますように
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「バイバイ」と言わず「じゃあね」と言うあの子 自分の美学があるんだろうな
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最近はラノベばっかり読んでたし今日は深めのテーマの本を
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しわくちゃのワイシャツ共を投げ入れて 独り蓋するコインランドリー
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本当の心に蓋して閉じ込めて 生きてきたんだ生きていくんだ
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幼稚園お受験成功 人生のピークは四歳あとは余生だ。
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ズル休み 言葉が湧いて歌を詠む 誰がよむのかわからないけど
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お仕事がきつくて休んだ火曜日に 三時に起きて六時に喫茶
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キンドルで寺山修司を読み漁る 俺は何かをもとめているのか
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文系の大問四を語っても 解けはしないさ似非のインテリ
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喫煙に キューバのタバコを選んでは 何者でもない自分を飾る
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少子化が明らかにしていることは 恋する人はもう少数派
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小学校 黒田と岸田がいじめられ 田中先生過去思い出す
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ヒトとしてヒトを信じる 愚かでも回り道でも前進している
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ほろほろと 崩れる雪の 軒の下 ふたつの吐息 重なる二人
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猫舌で猫背で料理するときは猫の手だのに俺は人にゃん
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僕の伯母化粧が下手でいつ見ても気の毒だけどオバケショーです
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「ヌリカベ」と陰で呼ばれる厚化粧落とした時がまさに妖怪
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膝小僧古傷見つけお湯掛けて洗い流してくれる二歳児
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喧嘩した日の日記書くのは気が滅入る蒸し返すよう振替休日
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